日米テンバガー投資術#13Photo by Masato Kato

「楽楽精算」「楽楽明細」がけん引して30%超の成長を続けるラクス。SaaS企業が乱立する中、時価総額で首位に立つが、今後も25~30%以上の売上高成長を継続して5年で純利益100億円以上、中期的には時価総額国内100位以内を目指す。一方、「毎期増配」「純資産200億円以上」などSaaS企業としては手堅い目標も設定。特集『今こそチャンス!日米テンバガー投資術』(全16回)の#13では、中村崇則社長に攻めと守りのバランスなど勝ち抜く戦略を聞いた。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

後発の会社よりも魅力的な製品を開発
競合との差はどんどん広がっている

――国内SaaS(サービスとしてのソフトウエア)では時価総額首位と高く評価されています。一方でSaaS企業が続々誕生しており、競争環境は激化しているのではないでしょうか。

 SaaSは1回売って終わりのビジネスではありません。顧客のニーズに対して必要な機能を追加していくことが重要です。

 また、顧客数が多いことで、より多くのニーズを拾えます。しかも私たちの方がエンジニアの数が多いので、開発スピードが速い。となると、後発の会社さんよりも、お客さんから見て魅力的な製品になっている。

 つまり、時間がたてばたつほど機能が強化されていき、より売れるようになり、長く使ってもらえます。差はどんどん広がっているという状況です。この繰り返しで競争力を維持していけると考えています。

――ただ、今期の会社計画は売上高が33%増収と高水準なものの、営業利益は66%減益を見込んでいます。中期経営目標の2026年3月期の純利益目標は100億円以上ですが、今期予想と比較すると、5年で10倍以上となります。達成できますか?