製造業のあらゆる分野で需要が引きも切らず、絶好調の半導体業界。好況サイクルはいつまで続くのか。ウクライナショックの影響、絶好の買い時とは?特集『今こそチャンス!日米テンバガー投資術』(全16回)の#9では、ベテランアナリストがこれらのポイントを分析すると同時に、国内外の半導体関連9銘柄を厳選。注目する理由と共にリストアップした。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
ウクライナショックがむしろ追い風に?
絶好調の業界を左右する「3つのポイント」
ウクライナショックがさらなる追い風になる――。ロシアの軍事侵攻は卑劣極まりない行為だが、実は半導体業界への影響を巡り、市場でこんな見方が浮上している。
直近の決算では、国内外とも好業績をたたき出す関連企業が続出。市況サイクルに左右されやすい業界でありながら、この数年は絶好調ともいえる状態が続いていた。そして、ここにきて地政学リスクの高まりがむしろ、半導体各社の成長にとって一段とプラスに働く可能性が出てきたというわけだ。
引き合いがどれほど高まっているかは、下図を見るだけでも明らかだろう。「産業のコメ」と呼ばれ、今やありとあらゆる製造品に不可欠な存在となっている半導体のデバイスや製造装置は、世界各地で需要が伸び続けてきた。コロナ禍からの経済再開本格化と相まって、供給制約の最大のネックといわれてきたのが半導体だが、業界的には強いニーズが続いていることの裏返しでもある。
一方で半導体関連企業の株価については、年初から大幅な調整を余儀なくされた銘柄も少なくなかった。インフレを受けてFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを本格化させるとの観測が台頭。金利の先高観が強まるにつれ、期待の高さ故に株高が進んでいた銘柄は売り浴びせられることになったからだ。
レーザーテック、東京エレクトロン、台湾・TSMC、米エヌビディア……。国内外で有望銘柄がめじろ押しの半導体業界で今後、なぜウクライナ危機がポジティブな材料となり得るのか。次ページでは、関連企業の行く先を左右する「三つのポイント」についてベテランアナリストが分析。併せて、足元で妙味のある国内外の半導体関連9銘柄を厳選し、それぞれ注目する理由をコメントしてもらった。