現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「子どものため」という言葉
親が気をつけるべきこととは、いったい何でしょうか。
世の中には、「子どものために」という言葉で溢れかえっています。誰も傷つけないですし、当然のことのように聞こえます。
ただ、少し嘘が混じっている可能性もあります。基本的に、人はみんな「自分のため」に生きています。しかし、大人になり、親になると、それを口にすることは許されなくなります。「自分のことのほうが子どもより大事です」と堂々と言える人は、あまり見かけません。
ただ、子どものためを思っているように見せかけて、「自分自身が幸せになること」だってあると思うのです。子どもが受験に受かることや、習い事でスポーツやピアノが上達することは、親の願いを果たしてくれて親自身の幸せになることだってあります。それが過剰になり、自己実現のために子どもを利用している側面があるかもしれません。
嘘をつかない生き方
親が「私はやりたいことを我慢してでも子どものためを優先したい」と言うのは、少し傲慢です。
心の中でちょっと思うくらいならいいのですが、口に出すようなら最悪です。子どもからすると、「知ったこっちゃない」のです。
自分のことを後回しにして生きるより、親がやりたいことをやっている姿を見せたほうが、子どもは学べます。自分はぜんぜん本を読んだり勉強しないのに、子どもに対して「あなたのためを思って……」と、読書や勉強を強いるのは、ちょっと間違っていると思うんです。
読書が大事なら、親が勝手に自分で好きな本を読めばいいんです。そして、子どもは自然と勝手にその姿を見て学ぶのを待つしかない。
嘘をつくとバレます。子どもは特に敏感です。「これは偽善だな」と察知します。
「自分のため」を考えよう
ということで、親がすべきことは、自分のことを考えて行動することです。子どもにいろいろなことを押し付けないことです。
人は自分を犠牲にすると、いつか相手の邪魔をするようになります。「私はこんなに我慢しているのに!」と思い始めます。
でも、それは子どもや他人からすると、「どうでもいいこと」なのです。親として、非常に頭の悪い特徴だと思います。
なので、自分のことを最優先にしましょう。もちろん、子どもに迷惑をかけない程度にです。ただ、単身赴任したり、学童にあずけたりすることで、ある程度は子どもに我慢や淋しい思いをさせてしまうことも必要だったりします。
子どものことを考えすぎて自分を犠牲にして、最後には「私の人生は何だったんだ……」となってしまわないように生きたほうがいいと思いますよ。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。