オンライン会議は、
「集中力」が途切れやすい

【ルール4】ゴールを明確にする
 会議を始めるときに、ゴールを明確にしておくことも大事です。

 その会議で「何を決めるのか」をメンバー全員で共有しておくのです。これは、リアル会議かオンライン会議かを問わず重要なことですが、オンライン会議ではより一層注意したほうがよいでしょう。

 なぜなら、オンライン会議はリアル会議よりも集中力が途切れやすいからです。

 例えば、同じ空間に全員が集まっているリアル会議の場で、マルチタスク(いわゆる“内職”)をする人はめったにいませんが、オンライン会議では、手元が見えませんからマルチタスクがやりやすい。これ一つをとってみても、“場の強制力”とでも言うべきものが働くリアル会議よりも、オンライン会議は集中力が途切れやすいことがわかるかと思います。

 そのため、オンライン会議では、ゴールが不明確なために議論が迷走したりすると、会議が弛緩しきってしまうことになります。だから、必ず最初の段階でゴールをしっかりと共有して、集中力を維持したまま最短距離で意思決定まで走り抜けることを強く意識する必要があるのです。

発言時間に「制限」を設ける

【ルール5】発言者はファシリテーターが指名する
【ルール6】発言が終わったら「以上です」と言う

 もうひとつ、オンライン会議の難点として挙げられるのが、参加メンバーが発言のタイミングをつかみにくいということがあります。

 リアル会議の場合には、発言者の呼吸などを読みながら、言葉を挟むタイミングをはかることができますが、オンライン会議ではこれが非常に困難。そのため、どうしてもコミュニケーションがぎこちなくなりがちで、そのことによって参加メンバーにストレスを与える結果を招いてしまうのです。

 そこで、発言したい人は挙手をするなどサインを送り、それを確認したファシリテーターが指名することをルールにします。また、発言が終わったら「以上です」と言うことをルール化しておけば、発言がかぶることもなくなりますので、オンライン会議でもスムーズなコミュニケーションを成立させやすくなるのです。

【ルール7】発言時間に制限を設ける
 オンライン会議では、発言時間が長くなりがちなことにも注意が必要です。

 リアル会議でも、長々と話してしまう人はいますが、度が過ぎると“場の空気”がどんよりするなど、「自分がしゃべりすぎている」ことに気づかせてくれるサインが発せられます。しかし、オンライン会議ではこうしたサインがわかりにくくなりますから、発言が長くなりがちで、会議そのものがダレやすいものです。

 ですから、例えば「発言は1分以内におさめる」などとルール化するとともに、タイムキーパーを任命して、タイムオーバーしそうな場合には指摘するようにするといいでしょう。

【ルール8】質問はチャットに記入する
 また、提案者がプレゼンをした後には、メンバーから質問を受けたうえで、意見交換をすることになりますが、この流れをスムーズにするためには、質問を個々に発言してもらうのではなく、プレゼンを聞いている最中に、疑問点や質問をWeb会議アプリに内臓されているチャット機能を使って、どんどん書き込んでおいてもらうようにします。

 チャットに書き込んでもらっておけば、プレゼン終了後に、ファシリテーターが一つずつ読み上げながら、プレゼンテーターに回答してもらうことができますので、非常に効率的にこのプロセスを終えることができるからです。

 なお、チャットに記入するときには、「一つのチャットに一つの質問」を徹底してもらいます。一つのチャットにいくつもの質問を書き込むと、ファシリテーターが質問内容を把握するのに時間と労力がかかるためです。