コロナ禍のリモートワークなど生活スタイルの変化により注目されたのが、資産形成に対する関心が高まったこと。特に、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISAの口座開設が急増した。そんな状況の中、つみたてNISA本の決定版ともいえる『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)が3月16日に発売。本連載では、つみたてNISAを利用して長期投資や資産形成をしてみたいという人に向けて、失敗しないつみたてNISAの賢い選び方・買い方について、同書から抜粋して公開する。「つみたてNISAってなに?」という投資ビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすくお伝えしていくので、ぜひ、お付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

毎月1万円ずつの積み立てを、6%で運用すると30年後にはいくらに増える?Photo: Adobe Stock

 

インフレは行き過ぎれば、
私たちの生活に悪影響を及ぼす

 他の外部環境を見ても、やはり資産運用が重要になっていくと思います。それは20年後、30年後の日本がどうなっているのかを予想すると、さまざまなリスク要因が浮上する恐れがあるからです。

 たとえば公的年金などの各種社会保障が現状を維持できるとは、とても思えません。もちろん、医療費負担も今以上に重くなっていくはずです。今後は、より重い社会的負担を強いられることになるはずです。

 また2021年に入ってからは、世界的にインフレムードが強まりつつあります。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中の主要国はロックダウンなどによって経済活動の停止を強いられました。その後、ワクチンが行き渡ることで徐々に正常化に向けて動き出した結果、需要が増大。

 その一方で人手不足や半導体不足など深刻な供給不足に陥っており、モノの値段が上昇したのです。2020年5月から上昇トレンドにあった原油価格も、インフレ懸念を強めるきっかけになりました。なかなかデフレ経済から抜け出せず、低成長を続けている日本からすれば、「なぜインフレが悪いのか」と疑問に思うところですが、インフレも行き過ぎれば私たちの生活に悪影響を及ぼします。