怒られても落ち込まないための「変換スイッチ」

──とはいえ、「真っ当な指導でもすぐに落ち込んでしまう」という人も多いと思います。気持ちの切り替え方や怒られたときの受け止め方として、おすすめの方法があれば教えてください。

わび:相手が話の通じないパワハラ上司だった場合は、一刻も早く逃げましょう……というのは大前提として、ある程度理性的な上司に指導されて落ち込んでしまった場合ですよね。

「怒っている」=「困っている」という話を聞いたことがあります。そして、いろいろな上司のもとで働いているうちに、「怒っている」=「困っている」は割と当たっていると確信しました。

 怒ってしまうのは結局、困っているからなんですよね。

「怒られている事実」にばかりフォーカスするのではなく、「なぜ相手は困っているのか」にフォーカスすれば気持ちは切り替えられますし、上司とのコミュニケーションもうまくいくと思います。

「厳しくても尊敬される上司」と「部下のメンタルを壊す上司」の差は「この言葉」に表れるPhoto: Adobe Stock

──なるほど!「怒っている」=「自分を責めている」と変換してしまうと、相手の指導を受け止めきれないですが、「怒っている」=「困っている」に変換すれば、冷静になれそうですね。

わび:そうですね。とくに、相手と感情のやりとりをするときには、「精神的優位性」を保つことを意識するといいという話があります。

「怒っている」=「自分を責めている」と変換してしまうのは、精神的優位性が相手より低いからなんです。そうすると、「攻撃されている!」ということにばかり意識がいってしまって、自分を守るために言い訳をしたくなってしまう。

 そうではなく、「私は相手よりも精神的に優位な立場にいる」と考えれば、そんなにつらくはならないと思います。むしろ、相手の困っていることを探ることができれば、「上司を助けられた!」という自信にもつながる。

 怒られていても、少し高い目線で相手と対話するのがおすすめです。

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