究極は王道に帰る
ーー平尾さんから見た時、加藤さんの別解的な強さは何ですか?
平尾:まさに今おっしゃっていたことが別解ですよね。BtoBのサービスでは社数を伸ばすことで売上を上げていく会社が多い中、KPIを社数ではなく大口顧客の予算シェア数に変えて伸ばしているところ、BtoBサービスのレバレッジが効く広報と言う別のやり方をやっているという。コメント力があって視座も高い方だとインタビューを読んで感じていました。マッキンゼー2年目でマネージャーには、簡単にはなれないですよね。
加藤:私は、突き詰めていくと「究極は王道に帰る」と個人的に思っています。それは結構重要視しているところです。
たとえば「選択と集中」ってみんな大事だと言うじゃないですか? 我々が社内で重要視しているワードにも「フォーカス」があります。「集中せよ」ということなんですけれど、まさに「言うは易し行うは難し」です。先ほど申したように5000社の中で200社に集中するということは、4800社には「ごめんなさい」をしたことになります。その時は売上もガクッと下がるわけです。本質的に価値が出せて中長期的にバリューが生まれるところに絞るのは結構大変な決定でした。
あるいは我々はOKRを導入しているんですけれど、普通に運用すると目標が乱立するんです。けれど「1チーム基本2つまでに絞る」と決めています。とにかく絞るということは重要視していますね。
私は「ジャック・ウェルチが好きなんです。「世界1位か2位になれる事業しかやらない」と言ったまさに「選択と集中」の人なんですけれど、私も「最重要なことしかやらない」ということは非常に徹底していて、新しく入ってくる人にも強烈だと言われます。
基本的にはやった方がいいことってたくさんあるのですが、それを全部捨ててしまうので。「僕はメディアにもう出ません」という期間も1回ありました。
「優れたやり方」ではあるんですけれど、知っていることを本気で突き詰めるとレイヤーが変わると思っています。
平尾:このベン図の優れたやり方を破壊的創造で突き抜けるという感じですかね? すばらしいと思いました。
〈第2回へ続く〉