本田健 絶賛「すべての幸せがこの1冊に詰まっている!」
『92歳 総務課長の教え』の著者で、大阪の商社に勤務する92歳の玉置泰子さん。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された現役総務課長だ。1956(昭和31)年の入社から総務一筋、勤続66年。「私に定年はない。働けるかぎりは、いつまでも頑張る!」と生涯現役を誓う“世界一の先輩”が、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

【92歳の現役課長が教える】仕事をするうえで決してやらなかったこと鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

できない理由ではなく、できる方法を探す

【前回】からの続き

私は、「難しそうな案件だな」と直感的に思ったとしても、仕事にとりかかる前に「それは私にはできません」と断ったことは一度もありません。

できない理由を探す前に、「どうすればできるだろう」と前向きに方法を探すようにしているのです。

「できない」という壁を乗り越えようとすると、そこには創意工夫が生まれます。それが脳の活性化につながりますし、その連続で経験が積まれ、会社員として成長できるのだと思います。

それでも、「納期までに満足のいく仕事ができないかもしれない」と判断したら、そのままにしないで早めに周囲に助けを求めることも大切です。

仕事は、必ずしも一人で解決しなくてはいけないわけではありません。会社は単なる個人の集まりではなく、ひとまとまりのチームです。困ったことがあったら上司や同僚に助けを求め、逆に誰かから助けを求められたら進んで協力するのです。

ただし、助けを求めるにも、作法があります。まずは上司にかけ合い、「先日ご依頼の仕事ですが、納期までに着実に仕上げたいので、○○さんにサポートを頼んでもいいでしょうか?」などと許可をもらいましょう。

こうした社員に対して、頭ごなしに「ノー」という上司はいないでしょう。

私は課長として、仕事を依頼する立場でもあります。その際、まだ仕事に慣れていない新人であれば、手順書をつくって渡すこともあります。

手順書を渡しても、頼んだ納期通りにできない人もいます。その場合、依頼をした私にも責任があります。ですから、上司の立場としても、早めに「先日ご依頼の仕事の件ですが」と相談してもらったほうが助かるのです。

【次回へ続く】