小型株集中投資で築いた資産をもとに、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、「お金と時間の自由」を最速で得るための秘策を伝授! 最小限の時間で場所にも縛られず、極めて自由度が高い状態で仕事を楽しみしながら、経済的自由を謳歌するたった1つの方法を徹底指南する。

【集中投資でFIREした元会社員が教える】なぜ投資家は暇そうにしているのか?イラスト:伊藤ハムスター

投資と投機の違い

投資は、自分が働かなくてもお金が入ってくる仕組みを所有することだといいました。株式投資にせよ、不動産投資にせよ、自分の時間を使わなくても、所有しているだけでお金が入ってくる仕組みです。

しかし、同じ株式投資でも秒単位の値動きをとらえて売買するような「スキャルピング」や「デイトレード」のような手法は、投資とは呼べません。これらはギャンブル性の高い「投機」といえます。同様に、「証拠金」を入れて、レバレッジをかけて差益を狙うFX取引や商品先物取引も、投機であり、投資とはいえません。

そもそも「投資」と「投機」は、その行為の本質的な意味が異なります。

投資は、株の配当金や不動産の家賃(インカムゲイン)、保有していた株や不動産の売却益(キャピタルゲイン)を得ることを目的にしています。一方の投機は、目先の価格変動を予測し、売値と買値の差額によって生じる「利ざや」を抜くことを目的としています。

◆「投資」と「投機」の違い
【投資】価値あるもの(資産)を所有することが目的
【投機】価格変動から利ざやを抜くことが目的

相場が開いている時間帯、需給や市場環境の変化などがさまざまに絡み合った複雑な要因によって、「価格」は変動し続けます。その価格変動から利ざやを抜く投機では、つねに相場を監視し続ける必要があります。

それは不労所得ではなく、むしろ精神的な緊張感とストレスをともなう“重労働所得”です。映画やドラマで、複数台のPCモニターに映し出されたチャートを同時にチェックしながら、即時に売買を判断し注文を繰り返す人のやっていることが、いわゆる「投機」です。

一方、投資は本質的な「価値」に対してお金を投じます。目先の需給や市場環境の変化によって「価格」はつねに変動しますが、企業や不動産の本質的な「価値」は、すぐには変動しません。そのため、投資先を見極めるために時間を使うことはあっても、つねに価格の変動を監視する時間は必要ありません。

投機をやっている人はつねに忙しそうにモニターに張りついていますが、投資をやっている人はいつも暇そうにしているものです。

【集中投資でFIREした元会社員が教える】なぜ投資家は暇そうにしているのか?イラスト:伊藤ハムスター

株式や不動産の「価値」にお金を投じる投資家は、自分の時間を使って働くことなく収入を得ることができます。一方、「価格」の変動にお金を投じる投機家は、同時に時間も労力も投じる必要があるため、投資をしているように見えますが、実情は「労働」と変わりません。

「お金と時間の自由」を目指すのであれば、「投機」ではなく「投資」によってお金を増やすほうがよいのです。