金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。「紙」は毎日、怒涛のように家に入ってきます。いったい、取っておくべき紙はどれなのか? そして、それをどう整理すればよいのか?「とりあえず取っておく」と、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。紙には、財産や信用に直結するものもあります。人生により大きな影響を与えるのは、実は「モノ」よりも「紙」の片づけです。「もっと早く知りたかった!」と発売前から大反響の、片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から抜粋して、ご紹介します。

ゴールデンウィークにおすすめ溜め込んだ紙や書類をスッキリ片づける時の注意点Photo: Adobe Stock

溜め込んだ紙の片づけは、ごちゃついた部屋でやらない

 長年溜め込んだ大量の紙を取捨選択し片づける時のポイントは、

①すっきり落ち着いた空間で
②午前中、思考がクリアな時に
③紅茶でも飲みながらリラックスして行う

 ……です。

 モノが散在して、視界がごちゃついた部屋だと、思考が停止してしまいます。目から入る情報が雑多であるほど、脳は処理するのにエネルギーを使うので、思考力や判断力が低下しやすくなると言われています。

 紙は、読んで中身を理解する必要があるので、「溜め込んだ紙」を片づけるのは「3日片づけ」で家の中のモノをすっきり片づけてから行うことが大切なのです。

 そして、作業するタイミングは午前中がおすすめ。

 先日、朝5時半からオンラインで「朝片づけチャレンジ~書類整理を習慣化するための5日間~」というイベントを行ったのですが大成功でした。毎朝1時間×5日間、Zoomでやりとりしながら、みんなで黙々と作業。早朝の、澄み切った空気感の中で、みなさんサクサクと片づけていかれました。

 夜は脳も体も疲れているので、判断力が落ちていますし、思考も後ろ向きになりがちです。特に、テレビを見ながらとかは絶対にダメですよ。集中できないので、後々「あの時捨ててしまったのでは……」が響いてきます。家族から「あの時捨てただろう」とは、言われたくないですよね。「片づけたりするから、こんな目にあう」と言われるとやる気を失ってしまいます。正しく判断できる環境で取り組むことが大切です。

 それと同時に、紙片づけをする意義を、家族にしっかり周知しておきましょう。紙片づけは一見面倒くさいので、モノの片づけ以上に家族の協力や理解が得にくいことがあります。紙を片づけてホームファイリングをすることで、必要な紙がすぐに取り出せるようになるというゴールのイメージをしっかり共有しておくことが大事。

 最初は半信半疑かもしれませんが、使い始めたら、「これ、使いやすい!」と思ってもらえますよ。

紙片づけはスマホ片手にやるとよい

 なるべくリラックスして行うとよいので、紅茶やコーヒーをゆったり飲みながら、カフェにいるような気分で行ってください。

 そして、いつまでに終えるかを決めて、ゴミ袋を片手に、明らかに不要な紙はどんどん捨てていきます。それ以外の紙は、「確認して捨てる」「データ化する」「ファイリングする」、そして「思い出系」に分けていきます。

「確認して捨てる」紙の判断はスマホ片手にやりましょう。

 要るのかどうかわからないものは、その時すぐに紙に書かれたお問い合せ先などに電話をして「これは何に使う書類ですか?」と質問するのです。電話をするのって、億劫だし、ちょっと勇気が要りますよね。なので、これは企業の受付時間内に、一気にやります。新入社員が、だんだんと電話に出られるようになるみたいな感じで慣れてきますし、同じ作業はまとめて行うほうが時短になります。

 データ化やファイリングも、まとめて行います。ただし、「思い出系」は安易に「データ化」や「ファイリング」に振り分けないようにしましょう。どれもかけがえがない思い出なので、すべて残しておきたくなりますが、厳選することも大切です。思い出系との向き合い方は、本書でもお伝えしています。