直接会うことが減り、オンラインでのやりとりが増えてきた今「手書き」文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとしてビジネスでの大きな武器となります。とはいえ、忙しいビジネスパーソンが字のおけいこに費やせる時間はさほどありません。そんな方に向けた新発想の美文字本が『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。この連載では、本書より抜粋しながら美文字のコツを紹介いていますが、今回は「美文字」になると、いったいどんなことが起こるのか、萩原先生ご自身が経験したエピソードをご紹介しましょう。

オンライン時代の営業マンが自分を印象づけるための秘策

オンライン時代こそ「きれいな字のハガキ」が武器になる

 以前の連載で、私自身が、「手書きの手紙」を武器に、広告代理店の顧客獲得数第一位を取ったお話をいたしました。

 実はこの作戦を会社ぐるみでやっているところがあります。

 ある不動産会社さんです。不動産業界は、契約が決まると金額が大きいことが特徴です。ライバルも多く、いかにお客様と密なコミュニケーションをとれるかが重要です。そこで、その会社では、手書きのハガキを出すことを推奨し、毎年、年賀状は「手書き」で書く文化があるとのこと。

 今の時代、年賀状を送る人も少なくなり、また、送っていても、表裏、どちらも印刷(プリント)した文字で出している人がほとんどです。だからこそ、手書きで送ると「目立つ」からチャンス! その会社に勤める私の生徒さんも、毎年の年賀状は100枚以上すべて手書きで出しています。

 あなたご自身も、身に覚えがないでしょうか? 印刷のハガキが送られてくると「なんだ、営業ハガキか」と即座に捨ててしまうところ、手書きの美文字で表も裏も書かれたハガキが来たら、ちゃんと読むし、それを書かれた方のお顔を、思い出そうとしますよね。

 今の時代、手書きを目にする機会は少ないからこそ、インパクトは想像以上です。本書で、美文字の書き方の「コツ」さえ覚えれば、誰でも15分で「きれいな字」を書くことは可能です。是非、試しにやってみていただければと思います。