ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

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フィリピンってどんな国?

 フィリピンは、フィリピン海、南シナ海、セレベス海に囲まれ、大小合わせて7107もの島々から成る島嶼国家です。

 1571年にスペインの統治下に置かれて以来、1898年の米西戦争後のアメリカ統治、1942年の日本軍政支配を経て、1946年に独立を果たしました。

 300年以上にわたるスペイン・アメリカの統治は、スペイン皇太子フェリペ(後のフェリペ2世)の名にちなんだ国名のほか、スペイン風の名前への改名、キリスト教の布教(国民の92.7%)、英語の公用語採用など、生活文化や精神風土に大きな影響を与えています。

急速に成長しているBPO産業

 主要産業は農林水産業で、産業別人口で24.3%を占めます(2018年)。製造業は、豊富な低賃金労働力を背景に、電子部品の組み立てや縫製業など、労働集約的な産業が中心です。

 近年急速に発展しているのが、コールセンター業務等のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業です。

 1990年代、BPOの主役はインドでした。2000年代に入ると、インドと同様に英語を公用語とするフィリピンは、BPOを成長産業に位置づけました。

 高い英語力・安価な人件費・若年層の厚さに加え、ICT技術の革新、グローバル化という時代の後押しがあり、コールセンター業務分野では2014年にインドを抜きました。

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フィリピン共和国

面積:30.0万㎢ 首都:マニラ
人口:1億1081.8万 通貨:ペソ
言語:フィリピノ語(公用語)、英語(公用語)、タガログ語
宗教:カトリック80.6%、プロテスタント8.2%、イスラーム5.6%

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)