考えている人の言葉ほど強い
――あっという間に時間になってしまいました。最後に何かありますか。
平尾:バチェラー4で秋倉諒子さん(黄さんが最後に選んだ女性)に言った「世界中が敵に回っても、味方でいてくれる?」という言葉は、パッと浮かぶんですか?
黄:あれは撮り直しがないので(笑)。
平尾:すごく揺さぶられますよね、見ているほうは。
黄:ずっと考えているんです。バチェラーのときも彼女たちとどう向き合うべきか、ずっと考えていた。だから言葉がすっと出てしまうんですよ。普通は恥ずかしいじゃないですか。「世界中が敵に回っても」なんて。
でも、常に考えている人の言葉と、その場で言った人の言葉って、めちゃくちゃ差が出ませんか?
平尾:出ますね。
黄:丈さんが「ガチ」だということは、話せば一瞬でわかる。自分の発言に対して正解を気にしないからです。こう言ったほうがいいだろうとか、こういう発言をしたほうが相手にとっていいんじゃないかということを、丈さんは全く気にしない。自分の言葉でお話しする人なので、信憑性があるんですね。別解という言葉が好きなのは、「お前の正解と俺の正解を一緒にしてくれるな」という大前提があることです。
平尾:本の帯にほしい言葉ですね(笑)。
黄:あなたの正解はあなたのもの。俺の正解は俺のものだから、バチェラーの旅で視聴者に何を言われても自信があったんです。それはあなたの意見。これは私の意見。こちらの考えを強制しようとも思わない代わりに、あなたの意見を受け入れるつもりもない。強い軸があったから、何やっても自信があったんです。ある女の子とキスした直後に他の女の子とキスしたのは、私の正解と私のやり方なので、採点してもらう必要がないんです。これこそが別解を持つということかもしれませんね。
発言に後ろめたさが存在しないことが、自分の言葉に強さがある要因かもしれません。思考を繰り返してたどり着いた言葉を、ただ口にするだけです。
平尾:本気で考えてきた人だからこその言葉ですね。今日はお忙しいなかどうもありがとうございました。
黄:こちらこそ、ありがとうございました。