金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。「紙」は毎日、怒涛のように家に入ってきます。いったい、取っておくべき紙はどれなのか? そして、それをどう整理すればよいのか?「とりあえず取っておく」と、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。紙には、財産や信用に直結するものもあります。人生により大きな影響を与えるのは、実は「モノ」よりも「紙」の片づけです。「もっと早く知りたかった!」と発売前から大反響の、片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から抜粋して、ご紹介します。(初出:2022年5月17日)

捨てにくい家の中の「個人情報」はどうすればいい?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

生ゴミごちゃまぜ作戦がおすすめ

 家の中の紙に載っている個人情報の部分は、特殊なスタンプを押して消したり、シュレッダーにかけたりしてから捨てる方も多いようです。

 でも、「けっこう面倒で大変です」「夜中にシュレッダーをかけるとうるさいから、そのせいで大量の書類が家から出せません」などのお悩みも寄せられます。

 私自身は、不要なDMは封も開けずに燃えるゴミとして捨てています。宛名の部分を破くこともしません。ただ、それができるのは、大阪の場合、ぱららーんららららららーんと軽快な音楽とともに、ゴミ収集車がやってくるんですね。私はぱららんが来る15分ぐらい前に出すことが多いです。そうすれば、誰かに見られる暇もなく回収されて、ぐしゃぐしゃに粉砕されるのがわかっているからです。

 でも、これは地域の特性があるので、例えば都会のタワーマンションなどにお住まいで、24時間ゴミを出せる環境の場合は、誰かに見られそうで不安かもしれないですね。

 そういう場合は、びりびりに手で破いて、生ゴミと混ぜて捨ててみてはいかがでしょうか。さらにこれを紙袋に入れてガムテープでぐるぐる巻きにすれば、盗み見されるリスクは下がります。

 そもそも、家庭で処分対象となる紙に、大した情報は載っていないように思います。仕事にまつわる紙は、必ずシュレッダーにかけないといけないものが決められていますよね。うちも、仕事関係の書類は、お金を出して溶解処理をしています。

 でも、一般家庭はそうではありません。例えば、洋服屋さんのDMを捨てて、誰かに見られたとしても「石阪さん、ここの店で服を買っているんだ」と思われるだけなので、実害はありません。

 シュレッダー行きの紙が溜まって困っている場合は、まず、「なんのために、その紙を破るのか」を考えてみるとよいですね。

 そして、手段を選ぶ。手で破れば事足りるのか、シュレッダーにかける必要があるのか。

 個人情報を守ることはもちろん大切です。でも、そのせいで紙が片づかず、困っておられるなら、早く片づけるためにできることを優先してみてください。