米国で発売直後から大きな話題を呼び、中国・ドイツ・韓国・ブラジル・ロシア・ベトナム・ロシアなど世界各国にも広がった「学び直し本」の圧倒的ロングセラーシリーズ「Big Fat Notebook」の日本版が刊行された。本村凌二氏(東京大学名誉教授)「人間が経験できるのはせいぜい100年ぐらい。でも、人類の文明史には5000年の経験がつまっている。わかりやすい世界史の学習は、読者の幸運である」、COTEN RADIO(深井龍之介氏 楊睿之氏 樋口聖典氏・ポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」)「ただ知識を得るだけではない、世界史を見る重要な観点を手に入れられる本! 僕たちも欲しいです」、佐藤優氏(作家)「世界史の全体像がよくわかる。高度な内容をやさしくかみ砕いた本。社会人の世界史の教科書にも最適だ」と絶賛されている。本記事では、全世界700万人が感動した同シリーズの世界史編『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史』より、本文の一部を抜粋・紹介します。(初出:2022年5月22日)

14歳からわかる「第一次世界大戦」が起こったワケと大きすぎた「代償」とは?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

戦いの火種

 第一次世界大戦は、当初は単に「大戦争」と呼ばれていたけれど、その厳密な原因を特定するのは難しい。ヨーロッパの平和はあまりにも不安定で、いつ紛争が起きてもおかしくない、一触即発の状態が続いていた。まるで、火種でいっぱいの火薬庫みたいだったといえばわかりやすいかもしれない(参考イラスト1)。

第一次世界大戦の「火種」参考イラスト1

 第一次世界大戦への道筋のなかで、大きな役割を果たした要因のひとつが、ヨーロッパをおおうナショナリズムだ。どの国も自国の文化に誇りを持っていた。

 特に、ギリシア、ルーマニア、セルビアといった、独立したての国々は、その傾向が強く、おまけにそのすべてが、ヨーロッパ南東部のバルカン半島という地域に固まっていたのだから厄介だ。

 ボスニアは、オーストリア=ハンガリー帝国の支配から逃れたいと思っていた。イギリス帝国のアイルランド人、トルコのアルメニア人、ロシア帝国のポーランド人も、似たような苦悩を抱えていたのだ。

 ヨーロッパじゅうに広がった帝国主義や、帝国どうしの敵対関係の高まりも、大きな要因のひとつになった。多くの国々が、外国の植民地をめぐって戦ったのだ。

 軍国主義の広がりも、多くの国々を一触即発の状態にしたといえる。工業化によって、新しい戦争の材料が生まれ、軍拡競争が進んでいった。その結果、多くのヨーロッパ諸国が同盟を築くことになる。

 いわば、チームをつくって、問題が悪化したときにはお互いに助け合うと約束したわけだ。1914年時点で、ヨーロッパの主な同盟としては次のふたつがあった。

◯三国協商:ロシア、イギリス、フランス

◯三国同盟:ドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国、イタリア

 ひとつの国が戦争をすると、別の国もそれに加勢した。わたしのチームとその応援団vs敵チームとその応援団、みたいなものだろう。

三国同盟と三国協商