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東京でも全く他人事ではない
管理不全“スラムマンション”急増の予兆

外壁にツタが茂り、朽ち果て、壁には大きな穴が開いた建物。滋賀県野洲市のこの廃墟は、元は1972年に建てられた、美和コーポB棟という名の小ぎれいなマンションだったという。
手すりの落下や人体に有害なアスベストが飛散するなど、十数年もの間地域で問題になっていたマンションだった。管理不全が原因で、行政が行政代執行によって私有財産であるマンションを解体する全国で初めてのケースとなった。
市が1億1800万円もの費用を立て替える形で解体したが、一部しか費用を回収できないまま現在に至る。
実は、こうした“スラムマンション”のような事例が、近い将来東京でも次々と出現するかもしれない。
東京都は20年から、83年12月31日以前に建築された居住住戸が6戸以上のマンションの管理組合に対して、管理状況等の都への届け出を義務付けている。
その調査結果は衝撃的なものだった。