「お金は欲しいけど、あんまり仕事はしたくない」「仕事はキライじゃないけど、一生お金のために働くのはイヤだ」
そんな思いが少しでもあるのなら参考にしたいのが、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした遠藤洋氏の著書『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)だ。仕事をしながら小型株集中投資によって資産を築いた著者が、「最速でお金から自由になる」ための秘策を伝授! さらに、お金にも時間にも場所にも縛られず、好きなことで楽しみしながら収益を得て、自分の人生を最大限に満喫する方法を徹底指南する。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』より一部を抜粋・編集したものです。
他人にお金を預けてはいけない
他人にお金を預けるのは、投資で最もやってはいけないことの1つです。投資をはじめてしばらくたつと、投資の勧誘話が舞い込んでくることがあります。それは友人からの紹介であったり、参加したセミナーや勉強会経由だったり、さまざまなルートから「おいしい投資話」がやってきます。次に紹介するのは、すべて実際にあった話です。
●元本保証・月利5%で運用してくれる“天才トレーダー”がいる
●インサイダー情報の投資案件で1か月後に最低20%乗せて返せる
●ブランド品の転売で2週間ごとに8%のリターンを出すことができる
●仮想通貨のアービトラージで過去1年間負けなしで、毎月10%以上の配当を出すことができている
●システムトレード(決められたルールに従ってシステムが機械的に行う取引)で100万円が1か月で250万円になった
●オンラインカジノのバカラで必勝法があるから利益を山分けしよう
これらの投資話は、すべて半年以内に勧誘者と連絡がとれなくなりました。
本当に儲かる投資案件なら他人に紹介しないはず
「あなただけに紹介する」「元本保証」「高配当」「必ず儲かる」などと、甘い言葉で誘いかけたりするケースもありますが、本当に儲かる投資案件であるなら、わざわざ他人に紹介しないはずです。仮に毎月10%の配当金を出せたとして、それを維持するためには、毎月10%を大きく上まわる利益を出し続けなくてはビジネスが成り立ちません。
そんな利益を継続的に出し続けられるのなら、個人からお金を集めなくても、自己資金を雪だるま式に増やせるはずです。大口の投資家や企業も、場合によっては銀行も喜んでお金を出してくれるでしょう。そもそも運用する立場からすると、銀行などから低金利でお金を調達したほうが、自分たちの儲けも大きくなるはずです。
儲かる投資案件は、他人からやってこない
それにもかかわらず、なぜ見ず知らずの個人に確実に儲かるという投資話を、わざわざ時間をかけて説明して、なおかつ10%もの高配当を支払うというのでしょうか? 答えは明白です。誰かがお金を預けることで、その人が儲かるからです。誰かが預けたお金で、勧誘した人が得をするからこそ、時間をかけて説明してくれるのです。
本当に儲かる投資案件は、他人からやってくることはありません。誰かが時間をかけて熱心に説明してくれることもありません。こればかりは自分で探しに行かない限り出合うことはないのです。「他人にお金を預けて運用してもらう」のは、何も考えなくて済むので楽かもしれません。しかし、こういった投資案件に出したお金の99%は、最終的に戻ってきません。
昔からある詐欺手法「ポンジ・スキーム」
最初の数か月はきちんと配当金が支払われるケースもあります。しかし、これは実際には運用せず、投資家が出資したお金をそのまま配当金として支払いながら信用させ、お金を騙しとる「ポンジ・スキーム」という有名な詐欺手法なのです。
最初の数回は配当金を得られるので、「最初は不安もあったけど、これは詐欺じゃない。たしかに配当金が入ってくる!」と投資家は信じてしまいます。そうやって配当金を得た投資家が、儲かると信じ切った状態で、友人や知り合いに広めたりするので、被害が拡大していきます。そして投資家が増えると、支払う配当金も増えていきます。
そうしてある程度のお金が集まったところで運営元が音信不通になり、お金を持ち逃げして行方をくらましてしまうのがよくあるパターンです。このようにして集めたお金は、すでに使ってしまってなくなっているか、他人名義の口座に入っているか、もしくは海外に送金しているケースがほとんどです。
仮に運営元を訴えて裁判で勝ったところで、実際にお金を回収するのはほぼ不可能と思ったほうがいいでしょう。結局、他人にお金を預けた先には大損しかないということです。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』より一部を抜粋・編集したものです。