タテからヨコに変わるプレイヤーの関係性
2つ目の変化は、プレイヤーの関係性がタテからヨコに変化していることです。これまでは、業界別に閉じたタテの支配型が中心でした。
例えば、自動車業界であれば下図の左側のようにトヨタ自動車などの自動車メーカーを最上位として構成される系列があります。系列にはティア1、ティア2、ティア3というように多数のサプライヤーが階層的に組織化されていて、自動車を組み立てるためのパーツを製造します。
また、建設業界やIT業界では、大手の建設会社やIT企業がプロジェクトを受注し、それを下請企業に発注します。自動車の系列と同様に、発注する側と受注する側が明確になっています。
それに対して、これからは図の右側のように、業界を超えた多様なプレイヤーが連携するヨコの共創型の働き方が主流になっていきます。私が共同経営する経営共創基盤(IGPI)でも、プロジェクトを推進する際に、大学や政府、フリーランサー、スタートアップなどと連携したり、場合によっては競合と連携したりすることもあります。
次回は、3つ目から5つ目の変化について考えてみましょう。
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)、IGPIシンガポール取締役CEO
早稲田大学政治経済学部卒、IEビジネススクール経営学修士(MBA)。
大学卒業後、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングに入社。
日本コカ・コーラを経て、創業期のリヴァンプ入社。
アパレル企業、ファストフードチェーン、システム会社などへの
ハンズオン支援(事業計画立案・実行、M&A、資金調達など)に従事。
その後、支援先のシステム会社にリヴァンプから転籍して代表取締役に就任。
退任後、経営共創基盤(IGPI)に入社。
2013年にIGPIシンガポールを立ち上げるためシンガポールに拠点を移す。
現在は3拠点、8国籍のチームで日本企業や現地企業、政府機関向けのプロジェクトに従事。
IGPIグループを日本発のグローバルファームにすることが人生の目標。
細谷功氏との共著書に『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考』(ダイヤモンド社)がある。
『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、2022年6月29日発売)が初の単著。