生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />問題解決に使える1つの優れた思考法

「誰のため?」「なんのため?」にそれをやるのか

誰かが反発したり、文句をいってきたりしそうなことでも、やらなければならないことってありますよね。組織や家族のため、自分が行動を起こさなければならないことがあります。やったほうがいいことはわかっているけれど、なかなか勇気が出ず、ダラダラと流してしまっている。

そんなとき、「誰かのためになる」と考えたら前に進めます。そう思うと、心が鬼にでもなれるからです。これはビジネスにおける「ファンクショナル・アプローチ」という問題解決手法にも通じる考え方です。米ゼネラル・エレクトリック(GE)で生まれたファンクション(機能)に着目して問題を設定し、解決していくという手法です。

そのためのポイントの1つが「誰のため?」「なんのため?」にやるかということ。自分が行動することによって、いろいろとハレーションを生んでしまって、心が折れそうになったら、「自分が守りたい人やモノ」を考えると、強くなれるんです。

困難に直面しても勇気が湧いてくる

たとえば、なんらかのルールを導入したいと提案する場合、静かでおとなしい人が日ごろ頑張っているのに、声の大きな人の被害にあって割を食っている人を守るために行動を起こすとか。声の大きな人に反発されるだろうと思っても、「誰のため?」「なんのため?」にやるのかということを考えてください。

大切にしなければいけないものがある、守ってあげなければいけないものがある。そのためにやらざるを得ない。そういう発想ができると、なにか困難に直面したとしても、勇気が湧いてくるんです。

誰かのためだと思えば鬼にもなれる

結局は「本質に立ち返る」ということが大事なのです。「これをやるのは誰のためだったっけ? なんのためだったっけ?」と考える原点を忘れない。すると、一刻も早く彼ら彼女らのために行動しなければならないというふうに勇気が湧いてきます。

人は、なにかを守らなければならないと意識して行動すると、気迫が出てきます。ときに鬼になれるわけです。そうすると真剣さも伝わって気圧されたりして、通常なら反発されるようなことでも意外と抵抗されなかったりします。自分が立ち返る原点を忘れず、困難に直面したら意識してみてくださいね。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、お悩み解消のヒントが満載です。