桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたロングセラー『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

“ガリ勉タイプ”では受からない!<br />入試問題から読み解ける「名門中学が欲しがる生徒」の傾向とは?Photo: Adobe Stock

どんなタイプの子が受かる?

 最近の中学入試では、歴史、地理、公民それぞれの分野に「時事問題」を絡めて聞いてくるケースが増えています。

 鹿児島が大河ドラマの舞台になった年は、鹿児島の特産品や有名人などを問う問題があちこちで出されましたし、オリンピックやサッカーのワールドカップなど大きな大会があれば、その開催国にまつわる問題が増えたりします。

 今後、大学入試などでも、古い歴史に関する問題は減っていき、今を生きる私たちに直接関わってくる時事問題が増えていきます。

 趣味的な知識をいじくりまわすのではなく、自分たちの身近な問題に目を向ける人間を重視していると言えます。

 そういう意味で、その学校がある地域についての問題を出す学校も増えてきています。

 女子校では、まだ男子校ほどその傾向は顕著ではありませんが、いずれにしても、最近の中学校は「世の中のことに興味を持たずに机にかじりついて勉強ばかりしてきたような子どもはいらない」という流れになっています。

 もちろん、勉強はできなくてはいけないのですが、それにプラスして社会性のある子どもを、どこもほしがっています。

「中学受験に受かる子はどんな子?」と聞かれたら、頭のいい子よりも好奇心の強い子なのです。

「どこまでカバーすればいいのか」について考えるときりがありませんが、毎日のニュースで扱われているようなことは見逃さず、なるべく家庭で話題にし、子どもが知りたがったことは一緒に調べる習慣をつけましょう。

 できれば、テレビの横に地球儀と地図を置いておき、ニュースで取り上げられている地域をその場で確認していくという作業をするといいでしょう。

 NHKの『クローズアップ現代+』を録画し、必要なところだけ編集して短くしたものを子どもに見せていた両親がいましたが、これも、手間はかかりますがいい方法です。

 時事問題に子どもがどこまで対応できるかについては、家庭のあり方がダイレクトに反映されると思ってください。