生保の販売や代理店の統合など
成果が出始めたモーター部会
車検や板金塗装、自動車整備、中古車販売などを手掛ける大手整備工場などのモーター代理店。この先の自動車産業の先細りを懸念し、生き残りを懸けて保険ビジネスを本格化させている。それを後押ししているのが、保険の業界団体である結心会のモーター部会だ。
地元で長らく営業を続けている整備工場の顧客数は数万人にも上るが、これまで販売してきたのは自動車保険がほとんどだった。つまり生命保険の販売はほぼ手付かずの状態だったわけで、結心会のノウハウを注ぎ込んで生保販売を行うことで、活路を見出そうとしている。加えて、地場の保険代理店と提携したり、場合によっては買収・統合したりといったことも推進している。
むろん、ニーズが顕在化している自動車保険を販売するのとは違い、コロナ禍で対面販売がしにくかったこともあり、ニーズが顕在化していない生保分野の商品を売るのはそう簡単なことではない。モーター部会の副会長で、神奈川県相模原市で整備工場を営むアマギの小川一弘社長は「自動車保険と違って生保の販売は本当に難しい」と言う。
だが、試行錯誤を繰り返していく中で、少しずつ成果が表れ始めてきた。スタッフが声掛けしやすいような工夫を凝らしたり、生保を販売するに当たって見直しするターゲットを定めたり、活動量をいかに上げるかの工夫をしたり、また、地場の代理店が傘下に入る事例が出たりといった具合だ。
次ページ以降では、モーター部会に所属する各社の取り組みや工夫について詳述していこう。