【「5回勝負して4回勝つ人」と「100勝負して60回勝つ人」ビジネスで優秀なのはどっち?】の広告でも話題沸騰。
全国3000社が導入し、話題沸騰のマネジメント法「識学(しきがく)」の代表・安藤広大氏の最新刊『数値化の鬼』。
「仕事ができる人」に共通することは、「数字で考えること」や「数値化のクセをつけること」だと言う。
数字によって自分の不足を客観的に受け入れ、次の行動設定や行動変容につなげることによって、人は「急成長」する。
「数字で人を見るな」「数字がすべてではない」ということはよく言われるが、「数字」は決して無視できない存在。
この本では、「感情を横に置いて、いったん数字で考える」「一瞬だけ心を鬼にして数値化する」など、頭を切り替える思考法を紹介する。
「自分のこと」しかしなくなる?
数値化による評価で、よく言われる批判があります。
それが、「みんなが自分のことしかしなくなるのではないか?」という疑問です。
営業の数字は上がるかもしれないが、全員が売上を追いかけると、
「お客さんへのフォローがなくなる」
「会社全体に助け合いの精神がなくなる」
というネガティブな見方もできると思います。
ただ、これを解決するように目標を設定すれば、大丈夫です。
お客さんをフォローできた状態や助けた状態を定義して、それらも含めて結果で評価するというやり方をします。
たとえば、顧客フォローをしたら「案件継続率」という指標を設定するイメージです。
チーム内での助け合いも、「他部署へのトスアップを『何件』したか」という数値化ができるでしょう。
他にも、社内のプロジェクトに参加した回数をカウントするなど、事実ベースで「回数」をかぞえることができます。
介護の派遣業の場合も、高齢者や病人の方々に「全員に毎回一度は話しかける」「クレーム処理に100%取り組む」など、数字に置き換えられる部分は見つけられるはずです。
いかなるときも、いったん「数字による結果」で評価する姿勢が大事です。
「チームあっての個人」を徹底する
また、「個人が達成すればチームでは未達でもいいのか?」という批判もあります。
こうした問題も、評価制度でクリアできます。
私たち識学では、個人は自分の数字だけを達成するのではなく、「あくまでチームや所属部署の成績を上げるために存在する」という意識を徹底します。
なので、それを評価にも組み込みます。
個人とチームの比重が「80:20」であれば、個人として110%の達成をしても、チームとして目標の半分しか満たさなければ、
80 × 1.1+ 20 × 0.5 = 98
で、合計で98点となり、100点にいかないこともあります。
チームあっての個人。これは誰もが、受け入れないといけません。
ダメな管理職の口グセ
また、管理職やマネジャーは、自分のチームだけの成績で評価されるようにします。
プレイングマネジャーを含む管理者は、個人とチームの比重が「0:10」になるようにします。
ここが識学の特徴かもしれません。
プレイングマネジャーであっても、個人の実績は評価せず、組織やチームの実績だけを評価するようにします。
その理由は、管理者の個人実績を評価すると、チーム目標の達成に対する意識が低下するからです。個人ノルマを150%達成できたとしても、チームとして目標を達成しなかったマネジャーがいるとします。その場合、
「チームはダメでしたが、私1人だけは頑張って、個人の目標は達成しています」
という言い訳ができてしまいます。こういう口グセがある人は、管理職失格です。
「自分の成績」と「部下の成績」を別のものとして考えてしまう。これは会社にとって非常にマイナスな状態です。
「自分がやろうと部下がやろうと、売上は売上だ」と考えられる状態にしてしまえば、管理職は部下を指導して成長させることにメリットを感じることができます。
部下が稼いできてくれて、自分はどんどんヒマになる。それがまさにマネジメントのゴールです。
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)のジェイコム株式会社で取締役営業副本部長等を歴任。2013年、「識学」という考え方に出合い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2022年7月現在で、約3000社以上の導入実績があり、注目を集めている。最新刊『数値化の鬼』(ダイヤモンド社)の他に、36万部を突破したベストセラー『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)などがある。