今、世界最先端のIT産業を支えているのは、インド人エンジニアたちです。なぜインドが多くの優秀なエンジニアを輩出しているか、その秘密はインド独特の算数教育に隠されています。インドの小学校の算数の授業は、日本の九九(くく)のようにただ暗記させるだけでなく、なぜそうなるかを考えさせる学習法が基本になっています。どのように計算したらより効率良く正しい答えを導き出せるか、子どもたち自身が考えながら学んでいくことで算数が面白くなり、さらに自発的に勉強が進むようになるわけです。この連載ではそのインド式計算法をわかりやすく学べる本『子供のインド式「かんたん」計算ドリル』の中から具体的な計算方法を紹介していきます。

【かけ算は「図」で考える】子供の算数力が高まる「インド式計算」の極意を解説!Photo: Adobe Stock

 過去の連載で、かけ算を図で考える方法をご紹介しました。

 復習になりますが、たとえば、「18×23」は下の図のように四角形の面積のたし算として考えます。これがインド式計算法の極意になります。

【かけ算は「図」で考える】子供の算数力が高まる「インド式計算」の極意を解説!

 今回の記事では、この方法についてさらに紹介していきましょう。

 それでは、例題です。

【かけ算は「図」で考える】子供の算数力が高まる「インド式計算」の極意を解説!

「16×35」という問題を見たら、普通の人は筆算をはじめると思います。

 ですが、このように図にしてみると「7×8」の四角形が10個集合しているものと気づくことができるのです。そうとわかれば、「7×8×10=560」とパッと答えを出すことができます。

 これは「偶数×1の位が5の数」のかけ算で使えるテクニックなのですが、図で考えるメリットを直感的に理解していただけるいい例だと思います。

 数式にするとこのような形になります。偶数を「2」と他の数、1の位が「5」の数を「5」と他の数をかけた形で表し、「10」をかける形に変えて計算するのです。

【かけ算は「図」で考える】子供の算数力が高まる「インド式計算」の極意を解説!

 それでは、問題を解いてみてください。

 ここに掲載した4問はどれも上の図と同じように考えることで、パッと答えを出すことができます。

【かけ算は「図」で考える】子供の算数力が高まる「インド式計算」の極意を解説!

 問題の答えはこのようになります。

(1)810 (2)1200 (3)2030 (4)4800

 いかがでしたか?

「インド式計算法」は練習すればだれでもマスターできます。ぜひ、挑戦してみてください。