生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
シンプルにして効果のあるたった1つの方法
対話において「相手の機嫌をとる」という視点は、けっこう大切です。簡単にいうと、相手にいい気分になってもらうということです。
では、そのためには、どうしたらいいのでしょうか? 結論はシンプルで、相手を褒めまくる。これはかなり有効なんですよ。
人間って、けっこう単純なんですよね。いかにも相手の機嫌をとろうと、わざとらしくなってしまっても、それはそれでうれしいものなんです。
だから、相手のプラスの面を見つけて、それを褒めてあげる。褒められて嫌な気になる人はいないから、単純に効くんです。
機嫌がよくなる話をプレゼントする感覚
これは効果があるものの、みんな意外と実践していないことでもあります。それは、わざとらしく機嫌をとるみたいで、抵抗感を抱くからでしょう。でも、単純に効くのですから、一度やってみてください。
ほかにも、相手がポジティブな感情を抱きそうなことを話題にして機嫌をとる手もあります。たとえば、おいしいスイーツや素敵な旅行の話、相手の趣味がわかれば、その話を聞いてあげる。自分の趣味の話をすると、人は饒舌になりますからね。
そういう機嫌がよくなる話をプレゼントする感覚でふってあげるんです。
なかには「そんなに褒めても私の気分は変わらないよ」「そんな機嫌とりじゃ、私は釣られないよ」みたいに見透かされたような気分になることがあるかもしれません。でも、それはある意味、相手の照れ隠しでもあるのです。だから、それでも褒めたりポジティブな話を展開すると、やっぱり機嫌がよくなりやすいんです。
嘘をついて褒めるのは逆効果が生じる
ただし、嘘は禁物です。褒めるときには、誠実であることが肝心です。あくまで相手のいいところ見つけて褒めるのであって、相手にないものを偽って褒めると、相手の機嫌はかえって悪くなってしまいかねません。
たとえば、相手が明らかに苦手なことを「すごい」とかいって褒めても、それはお世辞にしか聞こえないから逆効果なんです。
そうではなく、一見すると相手が気づいていないけれど、アナタが客観的にみて「ホント、すごいですよ!」という点を褒めてあげると、相手もはたと気づいて、喜びが倍増します。気づかせてくれたという信頼感の獲得にさえつながるでしょう。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。