母親と赤ちゃんPhoto:PIXTA

SNSの世界で、事あるごとに「我が子の写真」をアップする人を見かけた経験がある人は多いだろう。あるいは、あなた自身が子どもの写真を公開して「いいね!」がつく喜びに病みつきになっているかもしれない。だが、ネット上に一度でもアップした写真は、第三者に悪用される恐れがあることは知っておくべきだ。子どもの写真が、悪質なサイトの画像素材として悪用される危険性もある。それでもSNS投稿をしたい親は、子どもの写真をアップする際、どんなことに留意すべきなのか。(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子)

我が子との日々をSNSにアップする
裏側に潜む「落とし穴」

 育児は幸せと苦労の連続だ。我が子のかわいい笑顔やおしゃべり、成長の様子などを多くの人に知ってほしい――そんな気持ちで子どもの写真や動画をSNSに投稿する親は多い。

 同じ年頃の子を育てている人と共感し合ったり、時には先輩からアドバイスをもらったりと、SNSが大いに役立っているシーンも見かける。私の子どもたちはすでに大きいので、SNSなどで小さな子どもたちの姿を見かけると、我が子の幼い頃を思い出し、思わずほほ笑んでしまう。

 しかし、一方で心配にもなる。SNSがなかった頃は、親しい友人や家族と会うときにアルバムを広げ、我が子の写真を見せていた。子どものエピソードも、実際に会った人に話すだけ。我が子の写真を渡す機会があるとすれば、親族に対してか、我が子と相手が一緒に写真を撮ったときぐらいだった。

 ところが今は、SNSで不特定多数の人に我が子の写真や動画を公開できる。おおよその住まい、名前や呼び名を同時に公開することも可能だ。

 中には、子どもの写真を公開して「いいね!」がつく喜びに病みつきになり、半ば「依存」といえるほど、のめり込む人もいる。この時代の変化の裏側に落とし穴がある。