ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ジブチってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ジブチってどんな国?

 ジブチは、紅海の入口に位置する国です。エリトリア、エチオピア、ソマリアと国境を接しています。

 スエズ運河を開削したフランスが進出して植民地としてきました。

 1958年と1967年に独立を問う住民投票が行われましたが否決され、1977年に再び行われた住民投票で独立派が多数を占め、独立しました。

インド洋と紅海を結ぶ海上輸送の拠点

 アフリカ大地溝帯の北端に位置しており、特異な景観が見られます。国土のほとんどが乾燥気候で農業などは発達していません。

 しかし、この国はこの地域の中では豊かな国です。ジブチの経済は、ジブチ港の貿易で成り立っています。

 ジブチ港は隣国の内陸国エチオピアの海上貿易の中継点となっているばかりでなく、アジアとヨーロッパを結ぶ海上輸送路の拠点となっているため、中継貿易がこの国の経済を支えているのです。

ジブチには自衛隊初の海外拠点がある

 ところで、この付近の海域(ソマリア沖)は今日でも海賊行為がしばしば発生して、国際問題となっています。

 海上輸送の安全を維持するため、フランスやイタリア、アメリカ合衆国などがここに軍事拠点を置いています。

 2011年自衛隊にとっては事実上初の海外拠点を開設し、駐留しています。また、2017年には中国人民解放軍も拠点を開設しました。基地経済もこの国に政治的安定性と経済的豊かさをもたらしています。

ジブチ

面積:2.3万㎢ 首都:ジブチ
人口:93.8万 通貨:ジブチ・フラン
言語:フランス語(公用語)、アラビア語(公用語)、ソマリ語など
宗教:イスラームスンニ派94%
隣接:エリトリア、エチオピア、ソマリア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)