興行中止保険に
加入するケースも

 大会の出資者は(1)参加者、(2)大会のスポンサー、(3)主催自治体など――(まれに篤志家の寄付もあるらしい)。その上で(3)から委託を受けたイベント会社が運営するのが一般的だ。運営会社は委託を受けてマンパワーを投入し、参加賞や完走賞、エイドステーションなどを準備する。

 要項が発表された時点(もしくはそれ以前)で費用は発生し、エントリーを受け付けたらもう後には引けない。参加賞(多くはTシャツやタオル)やエイドステーションに置かれる水やスポーツドリンクはまだしも、発注したバナナやあんパンなどは当たり前だが、持ち越せないのだ。

 コロナ禍まで、大会の案内には「中止でも返金はありません」という一文が当たり前だったが、最近は「万が一、中止になった場合の返金」について言及する説明が増えた。コロナ禍を受けて主催者が「興行中止保険」に加入しているらしい。

 かすみがうらマラソンのように「人数を減らしたから1人あたりの負担が増えた」だけではなく、主催者側が横浜マラソンのように「受益者負担」を当たり前と考えたり、興行中止保険を参加費に上乗せするようになるとしたら、人気大会はタイトルのように「2万円超が当たり前」になるのは、必然のことだと思う。