世の中のさまざまなしがらみから抜け出して「幸せな人生」を歩むために必要なものはなんだろう?
それは、「自信」だ。『幸せな自信の育て方 フランスの高校生が熱狂する「自分を好きになる」授業』(シャルル・ぺパン著、児島修訳)では、フランスの高校生から大絶賛される哲学教師が、「本当の自信の育て方」を教えてくれる。本書からその一部を特別に紹介しよう。

【フランスの高校生が学んでいる】自己肯定感が高まるもっともシンプルな方法Photo: Adobe Stock

「美しい」と「自信」

 自然の豊かな場所を散歩しているとき、突然、目の前の雄大な風景の美しさに心を打たれる。息を呑むような鮮やかな空を眺めていて、その美しさに圧倒される。ラジオから流れてきた曲に、心を揺さぶられる。

 私たちは、こうした瞬間に美しさを感じる。そして、それを自信のない曖昧な言葉で表現したりはしない。「誰もが自分と同じようにそれを美しいと思うはずだ」と確信しているかのように、「これは美しい」と断言するのだ。

「美しい」に裏付けはいらない

 こんなふうに、目の前の何かの美しさが一般的な真実であると断言するには、とてつもなく大きな自信が必要だ。

 美しいものに感動したとき、私たちは自分の判断に十分な自信を持っているので、それを裏付ける何かを必要としない。

 何らかの基準に頼ることなく、自分の意思で自由に判断する。「これは美しい」。それだけだ。

 客観的な根拠があるから美しいのではない。何の理由もなく美しいと感じるからこそ、それは美しいのだ。

 私たちは普段、自分を疑いがちだ。だが、美しさに感動している瞬間は、この疑いから解放される。美に触れることで、自分の声に耳を傾けられるようになるからだ。

 私たちは「これは美しい」というシンプルな言葉を、確信を持って口にする。だが普段は、こんなふうに何かをはっきりと断言することは難しい。

 職場でも家庭でも、これほど確信を持って何かを言い切れることはめったにない。良いアイデアが浮かんでも、簡単にはそれを口にできないこともある。だが、まばゆいばかりの空を見て感動する、歌手の美声に心を打たれるといった体験をすると、自分の心の声に完璧に耳を傾けることができる。

 美しさにただ心を奪われていること以外に何も考えず、「これは美しい」と言うとき、私たちは自分を信頼する方法を学び直しているのだ。

[本記事は『幸せな自信の育て方』(シャルル・ぺパン著、児島修訳)を抜粋、編集して掲載しています]

『幸せな自信の育て方』は以下に当てはまる人におすすめの1冊です。ぜひチェックしてみてくださいね。
●「自己肯定感」が低い人
●いつも漠然とした「不安」を感じている人
●自分で「決断」するのが苦手な人