世の中のさまざまなしがらみから抜け出して「幸せな人生」を歩むために必要なものはなんだろう?
それは、「自信」だ。『幸せな自信の育て方 フランスの高校生が熱狂する「自分を好きになる」授業』(シャルル・ぺパン著、児島修訳)では、フランスの高校生から大絶賛される哲学教師が、「本当の自信の育て方」を教えてくれる。本書からその一部を特別に紹介しよう。

【フランスの哲学者が教える】人生に自信が持てる究極の答えPhoto: Adobe Stock

人生を「信じる」

 人生に対する自信は、明白であると同時に、定義が難しいものでもある。

 この本でもこれまでにこの自信について何度か触れてきたが、その特性はまだはっきりと定義してはいなかった。

 人生に自信を持つということは、未来に賭け、創造的な行動力を信じ、不確実性を恐れずに受け入れることだ。これらがすべて同時に当てはまることもあるが、それ以上のものでもある。

 それは、どんな人生も良いものであり、愛すべきものだと信じることだ。

 苦しいときも、人生を愛し続けることだ。必ずしも完璧でなくても、生きる価値がある人生だと考えることだ。

 端的に言えば、人生に自信を持つこととは、人生は全体的に見れば良いものだと考えることだ。

 現実世界はたとえ表面的には醜いと思えても、その奥底には優しさがあり、誰もが垣間見たことがあり、決して忘れることのできない光があると信じることだ。

 その自信がどこから来るのかを知る必要はない。私たちが人生に自信を持っているとき、具体的に何に自信があるのかが常にわかっているわけではない。

 私たちは人生全体に自信がある。ただそれだけだ。それは何の対象もない、純粋な信頼だ。

 私たちは、待ち受ける試練の中で、直面する困難の中で、夜の暗闇の中で、心の炎で自分を温められる。

 人生に自信を持つとは、たとえ弱くとも、この炎の輝きを信じることなのだ。自分が生きている限り、この炎が消えることはない。そう信じているからこそ、私たちは人生に自信が持てる。この炎を信じているからこそ、些細な幻滅に打ちのめされたりせず、失望しても人生の味わいを失ったりしない。

 この炎を信じているからこそ、私たちは自分の能力と創造的な関係を持つことができ、心地良い場所の外に出て他人のいる場所に向かえるようになる。

 自信は能力から生まれ、人間関係の上に築かれる。ただし、自信が存在するために必要な媒体であり、それを育むために必要な土壌は、人生への自信なのだ。

[本記事は『幸せな自信の育て方』(シャルル・ぺパン著、児島修訳)を抜粋、編集して掲載しています]