ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。この本はSNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。

【やる気がでないの正体】「無気力の沼」を抜け出すたった1つの「具体的方法」Photo: Adobe Stock

「再生産」の仕事ばかりしてはいないか?

 刺激がなく、成長機会を奪う「再生産」の仕事ばかりする人は「自分じゃなくてもいいのでは」という無気力状態の沼にはまる。

「気がつくと半年前や1年前と同じような仕事をしている」

「スキルが増えない、できるとわかっている仕事ばかりしている」

 そういう沼にはまった人は、まず、3~5年後に向けた中期目標を掲げよう。

目先を優先してはいけない

 中期目標がないと、目先ばかりを優先し、同じような仕事ばかり続けてしまう。

 でも計画を立てることで「数年後、こんな仕事が舞い込むポジションにつくにはどうすればいいか」を想像し、「どんなスキルがあればそれが叶うか」を逆算すれば、その沼からの脱出の道がひらくのだ。

 これは目の前の仕事に目標達成のために必要な要素を足していくイメージ。

 いまできる仕事に、いまはできない仕事をかけあわせ、次への足がかりをつくるのだ。

最初は「練習」からはじめる

 僕のキャリアもまさにそうやってつくってきた。

 たとえば「5年後には映画も撮ってみたい」と思ったときは、好きな映画をつくっている制作会社をチームに入れて、バラエティに巻き込んだ。 

「物販で稼げるようになったら、スポンサーを気にせず番組をつくれるはず」と考えたときは、デザイナーとコラボしたおしゃれなイベントTシャツからつくってみた。

 そんな練習をしているうちに、映画の制作からリアルイベントの演出、オンラインイベントのプロモーションまで、一介のテレビプロデューサーとは思えないほどいろいろなことが「できる」ようになっていた。

 再生産せず、無気力にならずに、自分を成長させ続けることができたのだ。

周りを気にしすぎてはいけない

 ただ、自分のためにあえて仕事を広げると、だいたいまわりに嫌な顔をされる。

 組織が求める仕事じゃないから、これについては仕方がない。

 でも、コツコツ種を蒔いていかないと、3年後、5年後の自分は変わらない。

 いつか、「昔やりたかったこと」を胸に抱えたままの自分と対面することになってしまう。

変化を怖がらなくていい

 同じ仕事の質や精度をひたすら上げることで食っていけるのは職人だけ。

 成長や変化をしていかないと、無気力状態の沼にはまり、その部署、その会社がないと生きられない人間になってしまう。

 いまあなたが1年前、2年前と同じような仕事、とくにチャレンジのない「できてしまう仕事」をこなしているなら、それは目標なく進んでしまっている証拠だろう。

 3年後、5年後、どうなっていたいだろうか? 

 一度、立ち止まって考えよう。

『佐久間宣行のずるい仕事術』より)

本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています)