ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
マラウイってどんな国?
マラウイはアフリカ南部に位置し、ザンビア、タンザニア、モザンビークと国境を接する内陸国です。
アフリカ大地溝帯の南端の裂け目に水がたまったマラウイ湖が南北に細長くのびていて、マラウイはその西岸に沿って、東西は狭いところで90km、広いところでも160kmほど、南北は約900kmとたいへん細長い形をしています。
マラウイ湖は世界遺産に登録されています。その面積は九州の8割ほどで、国土の約2割を占めています。国土のほとんどは標高1000m前後の高原にあり、気候は温帯です。南部は低地で、熱帯となっています。
主な産業は農業で、自給用のとうもろこしなどが生産されているほか、輸出用に葉たばこの生産が盛んです。
鉱産資源はあまり産出されておらず、葉たばこの輸出額が輸出総額の半分以上を占めています。
これといった産業がなく、2003年、当時の大統領が大分県の「一村一品運動」を導入しました。バオバブオイルなどが日本に輸出されています。内戦や対外戦争は経験しておらず、日本から多数の青年海外協力隊員が派遣されてきました。
南アフリカ共和国とアパルトヘイト下でも国交を持っていたため、ほかのアフリカ諸国から非難されました。その関係は今日でも強く、多くの国民が現金収入を求めて、出稼ぎに出ています。
マラウイ共和国
面積:11.8万㎢ 首都:リロングウェ
人口:2030.9万 通貨:マラウイ・クワチャ
言語:チェワ語(国語)、英語(公用語)、ニャンジャ語など
宗教:プロテスタント33.5%、カトリック17.2%、その他のキリスト教26.6%、イスラーム13.8%
隣接:ザンビア、タンザニア、モザンビーク
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)