自分が休むせいでどれだけ周囲に迷惑がかかり、誰がどれだけ辛い思いをするかを思うと、「体調不良ごときで」と、休むことができなくなってしまうのです。
しかし、出社したからといっても、体調が悪いので当然、効率も悪い。体調を優先させて早退するか、周囲に迷惑がかからないよう無理して続けるか……という葛藤で、どんどんネガティブになって自信を失っていきます。
ところが逆に、他人が休んだせいで自分が迷惑をかけられることになったとしても、文句も言わずにガマンして、その人の仕事を肩代わりするのです。
「自分はガマンできるからいいけれど、同じ苦労を他人にさせるわけにはいかない」という傷つきやすい人特有の気持ちが前提となっているので、迷惑をかけられても、無理をしてガマンを続けてしまいます。
迷惑になると決めつけなくていい
「迷惑をかけてはならない」という呪縛に陥ったときは何をおいても体調のケアを優先させてください。
職場に人手不足が生じたら、それを補うのはあなたの仕事ではありません。
自分自身に「それは私の役割じゃない」と明確に言い聞かせましょう。自分の仕事の範囲はどこからどこまで、と線引きすることが大事です。
こういった悩みを抱える人に、「人がどこまで迷惑に感じるか、他人の心配までしなくていいんですよ」と言っても、容易に納得してはもらえませんが、でも考えてみてください。同じ状況でも、ケロッとしている人もいれば、深刻に受け止める人もいるのです。
どう感じ、どう思うかは、各自の問題です。そこまで、あなたの責任でしょうか?
そこまでコントロールすることはできませんね。職場は、皆でフォローし合いながら、なんとかやっていくものなのです。
もし、仕事を休んだことに自責の念が湧いてきたら、それを断つために気分を変えましょう。
傷つきやすい人たちはよく「ひとり反省会」「ひとり会議」などと言うのですが、あれこれ考えて自分を責めるスパイラルに陥りがち。そうなったら、気づいた時点で「あ、また、ひとり会議しちゃったね」と自分に呼びかけて、呼吸を改めて、ちょっとした運動でネガティブな思考をストップさせましょう。
例えば、次のようなことがおすすめです。
■立ち上がって伸びをする
■別の部屋に移動する
■窓を開けて外の空気を吸う
■ベランダに出て鉢植えの植物に触れる
■ペットに触れる
■心地良い音楽やアロマの香りで気分転換をする
■調子が良ければ外に出て近くをちょっと歩いてみる
こんな小さなことで良いのです。
迷惑がかかると決めつけているなら、その思い込みは外しましょう。
迷惑をかけたり、かけられたりしていいんです。
他人が迷惑と感じるかどうかまで、心配しなくても大丈夫です。