2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
基本的には断らないほうがいいけれど…
頼まれごとは、基本的には断らないほうがいいと思います。
頼まれごとを安易に断ってしまうと、それ以降、「頼まれなくなる」からです。「一否定3年」と覚えてください。
頼まれたり持ち込まれたりしたものを「好きじゃないので」「嫌いなので」と好き嫌いを中心に選り好みしていると、ここから先、楽しい仕事の話は「3年間」はやってきません。
ただし、なかには「断ってもいい頼まれごと」があります。断ってもよい条件は次のとおりです。
「断ってもいい頼まれごと」ベスト5
①「借金」は、断ってもいい
「お金を貸してほしい」という頼まれごとは、お金に用があるのであって、その人に用があるわけではありません。ですから、断ってもかまいません。ですが、②の条件によっても変わります。
②「自己嫌悪」が大きくなるときは、断ってもいい
遊んでいるお金が手元にあるときに、借金の頼まれごとがあったとします。そのとき、「断ったほうが、断らなかったときよりも自己嫌悪が大きい」のなら、貸してあげてもいいでしょう。ただし、自分の生活を犠牲にしてまでお金を貸すと、自己嫌悪が大きくなりやすいので、貸さないほうがいいでしょう。
③「能力的にできない頼まれごと」は、断ってもいい
私のもとには、海外への翻訳の依頼が寄せられていますが、すべてお断りしています。なぜなら、私は、英語や中国語、韓国語が得意ではないので、校正(文章の誤りを正す作業)ができないからです。また、「100kgの荷物を持ってほしい」といった物理的に不可能な頼まれごともお断りしています。
④単なる数合わせは、断ってもいい
「忘年会で欠員が出た。一応10人で予約をしているので、9人だと困る。今から来てくれないか」というような頼まれごとは、断ってもいい。その人の個性や人格に関わりがあるわけではありません。頭数をそろえたいだけなので、個性や人格に関係ない「頼まれごと」は断ってよいと思います。
⑤先約がある場合は、断ってもいい
すでに先約が入っていて、スケジュールが取れないものについては、無理に引き受ける必要はありません。「NO」と言っていいです。
無理に引き受ける必要はない
「できないことでも引き受ける」と気負いすぎると、「できない頼まれごと」を抱え込み、やがて行き詰まってしまいます。
人間には「できること」と「できないこと」があるのですから、「できない頼まれごと」には、「できない」と言ってもいいのです。
「できないこと」を持ち込まれるとしたら、その人の中に「できないことでも何でも、引き受けるぞ!」という気負いがあるからです。私には、「できないこと」は持ち込まれません。なぜなら、気負いがないから。力がまったく入っていないからです。