孫社長の時間をフルに使い切るのが秘書の役目

 私が20代半ばで孫社長の秘書になった時、最初に言われたことがあります。

「社長の時間の使い方を徹底的に効率化して、いかに1日24時間を余すことなく使い切るかを考えるのが秘書の役目だぞ!」

 金や人なら外から調達できるが、時間だけは決して増やすことはできない。だから「社長の時間」という究極の資源の使い方を間違うと、それが会社のボトルネックになることを理解しなさい。

 入社初日から、孫社長にそう言い含められたのを強烈に覚えています。

 私はその言葉通り、孫社長の時間を1秒たりとも無駄にしないようスケジュールを組み、仕事の段取りを整え、それを実行するために奔走しました。

 その後、社長室長という肩書きを与えられ、ADSL事業「Yahoo!BB」をはじめとする数々の案件でプロジェクトマネジャーを任されるようになったのは、孫社長が私の時間の使い方を評価し、認めてくれたからだと考えています。

 仕事ができる人間になるには、時間術を極めなくてはいけない。

 これこそが、ソフトバンク時代に得た最大の学びでした。

 この本では、私が孫社長のもとで確立した時間術を余すところなくお伝えしましょう。