「人生のピーク」が今だったらどうしよう…

──若い時期にうまくいきすぎてしまうことについて、野沢さんはどう思われますか。最近では、YouTuberやインフルエンサーなど、10代、20代のうちから自分の才能を発揮し、活躍している人も増えてきています。ただ、その一方で、最初はよかったけどだんだん注目されなくなってきちゃった、「人生のピークって若いときに来ない方がいいのかな」みたいな悩みも、よく聞くので。

野沢:いや、別にそんなことはないんじゃないですかね。「注目されてる=ピーク」という図式でとらえてしまうと、たしかに、注目される期間が終わったらつらくなっちゃうのかもしれない。でも、「人が注目しなくなったからやめよう」「ピークが過ぎたからやめよう」も違う気がして。それって何のためにやってたの?って話になっちゃう。

 本来、「好きなことをやる」という選択をしている時点で、「人に注目されるか否か」という視点は関係ないはずなんですよね。ピークが過ぎても、人が見なくなっても、私は好きなことをやります、それでお金が稼げるならラッキー、くらいの気持ちでいるのがいいんじゃないのかな。

──それくらいの熱量で「好き!」と思えることは、どうしたら見つかると思いますか。

野沢:難しいけど、人生で、そこが一番重要ですよね。今回の本を書く過程で考えていたんですけど、私は「快感の種」を探すのがいいと思うんです。

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──「快感の種」を探す。

野沢:はい。たとえば私の場合は、ライブでもテレビでも、とにかく自分がやったことによって人が笑ったり、踊ったりしている様子を見ることが快感なんです。ルーツをたどると、「小学4年生のときのお楽しみ会でやったことが大ウケした」経験が私の「快感の種」で、それが59歳のいままで、ずっと繋がってる。

──たしかに。案外、幼い頃に味わった喜びや興奮ってずっと覚えていますよね。

野沢:子どもたちの人生を見てても、「小さいときのあの出来事がこう繋がったのか!」みたいなこと、よくあるんですよ。

 一度植え付けられた種は自分の中にずっとあって、それが一生を左右するんじゃないかと思うんです。だからいま、進むべき道に悩んでいる人も、その種をうまく見つけられさえすれば、「人生のピーク」とかで苦しむことも減るかもしれないですね。

【次回に続く】

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