株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一部を抜粋・編集し、
自分年金を築きたい
【前回】からの続き 集中投資から分散投資に転換した理由が、もう1つあります。それは、私の株式投資のおもな狙いが「インカムゲイン」にあったからです。投資経験者ならよくおわかりかと思いますが、投資のリターンの回収方法には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」があります。
株式投資の場合、インカムゲインとは配当金や株主優待として得る利益のことで、キャピタルゲインとは株価の値上がりによって得る利益のことです。大学時代の後輩が短期間で大きな資産を築いたのは、ITバブル時の集中投資によるキャピタルゲインの恩恵によるものだったのでしょう。
私自身も、「キャピタルゲインで大儲けしたい」という思いが当初はありました。しかし、前述のビギナーズ・アンラックによりその野望は打ち砕かれ、結果的にインカムゲインによる不労所得で“自分年金を築きたい”と思うようになりました。そこで、株価が上がらないと利益が得られないキャピタルゲインより、株価が上がらなくても配当金などで株主還元を享受できるインカムゲインを増やすことに重きを置きました。
ストレスも少なくリターンを得られる
「10倍株を数多く当てているのにインカムゲイン狙い!?」と意外に思われるかもしれません。キャピタルゲインは利益確定(利確)しないとリターンが得られません。相場が大きく崩れそうになった場合、リターンを減らさぬよう利確するのがセオリーです。
一方(のちほど詳しく説明しますが)、インカムゲインは「権利付最終売買日(権利日)」に保有していないと配当金などのリターンが得られません。「権利日に買えばいいじゃないか」とのご意見があるかもしれませんが、優待株を権利日に購入した結果、その翌日に権利落ちのストップ安をこの身でしかと受け止めた私としては避けたいです(本書27ページ参照)。
それにトレーダーではありませんから、頻繁な売買も避けたいもの。となると、インカムゲインは売買をくり返すよりも、保有し続けるほうがストレスも少なくリターンを得られます。利確後に再び安く買いなおせたとしても、10倍株への道は一からのスタートです。利確している限りはこれのくり返し、いつまでたっても10倍株は手に入りません。
結果的にキャピタルゲインを伸ばす
10倍株を手にするには長期間保有し続ける必要があるのです。つまり10倍株とインカムゲイン狙いは相性がよく、むしろインカムゲイン狙いだからこそ数多くの10倍株に出合うことができた、といえるのではないでしょうか。
配当金や株主優待が充実している銘柄は、投資家からの人気が高く、株価が下がりにくい傾向があります。さらに好業績が続けば、多くの投資家の支持を集めて株価も上がり、結果的にキャピタルゲインを伸ばすことに結びつくことも少なくありません。
狙ったのは「株主還元拡充銘柄」や「連続増配記録更新銘柄」
一般的にインカムゲイン狙いというと、配当利回りの高い“高利回り銘柄”を買い集めることを思い浮かべる人が多いかもしれません。
配当利回りは、1株あたりの年間配当金を、現在の株価で割って求めますから、株価が下落すると、配当利回りは上昇します。現時点で高利回りだということは、高利回りでも投資家たちが積極的に買い上がらない理由があるとも考えられるのです。
愛鷹式インカムゲイン狙いは、高利回り銘柄よりも、株主還元に積極的な姿勢を示し続ける銘柄を好んで集める。いうなれば、「株主還元拡充銘柄」や「連続増配記録更新銘柄」への投資です。
※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。