自分の好きなことより他人の意見に従ってしまう、選択と決断が苦手、決めてから後悔しがち……。そんな人におすすめなのが、2022年10月26日に発売の『私はすべて自分で決める。』(チェ・フン著 李明華訳)だ。著者は自分のことを「決められない症候群」と呼ぶほど、自分の選択と決断に自信がなかった。そんな著者がどうやって、「決断のプロ」になったのか、選択と決断のための具体的なノウハウを凝縮したのが本書だ。原書の『選択と決定はタイミングだ』は韓国本国で発売2週間で韓国大手書店で自己啓発ジャンルで1位になるなど注目を集めている。「この本は自分の人生の主役として生きる方法を教えてくれる」「より良い選択をしたいと願う人たちにすすめたい本」など絶賛と共感の声が相次いでいる本書。今回は、本書の発売を記念して特別に本文より一部抜粋、再編集して紹介する。

考えても答えが出ない!? 50対50のときに51を選ぶ方法Photo: Adobe Stock

本当に「どっちでもいい」のか?

フィフティー・フィフティーとは、50対50、つまり半々という意味だ。
50対50の選択と決断を前に、私のように決断が苦手な人たちがよく口にするのが「どっちでもいい」だ。
本当は良くないのに、私たちは自分にそうウソをつく。
原因は、自分の心の天秤をコントロールする力が弱く、自分が本当に望むものや好きなものの選び方を知らないためだ。

心の天秤を客観的にはかり、正しいと思う判断を下し、たとえ1パーセントでも自分の心の赴くほうを選べればいいのだが、それをしたことがない。
自分の心の天秤がどちらに傾いているのかがわかったら、選択と決断に苦しまずにすむはずだ。

そんな心の天秤のウエイトをコントロールし、自分の置かれた状況を客観的に判断する方法がある。
それは「感情調節」だ。

イライラして必要のない買い物をしてしまう…

感情は、はたしてより良い選択と決断に必要だろうか?
私は自分にとってプラスになる決断、後悔の少ない決断をするためには、感情を客観的に見るべきだと思っている。
たとえば、その場の気分や感情で選択し、後悔したことはないだろうか?
それを表すのが「シバル(クソ)費用」だ。

シバル費用とは、感情が選択に与える影響を端的に表す言葉だ。
スラングの「シバル」と「費用」を組み合わせた造語で、ストレスや気分が悪くなければ発生しなかったはずの費用を意味する。

上司に怒られて不満を感じたとき、気分が落ち込んだり、さみしさを感じたりしたとき、デパートやネットショッピングでいらないものを購入したりして後悔した経験が誰にでも一度はあるのではないだろうか。
かくいう私にも、そういうことがよくあった。
そんなとき、感情調節ができていれば、今、自分が感じている感情を客観的に見ることができていれば、シバル費用による後悔などせずにすんだはずだ。

人間は感情の生き物だ。
だからこそ、今の自分の感情が選択と決断に大きな影響を及ぼすという認識を持ち、自分の中の感情を常に突き放して見られるようにならなければならない。

また、感情任せに誤った選択をして後悔しないためにも、感情を適度にコントロールする必要がある。
感情に偏らず、自分にとってプラスになる51パーセントを選択するための方法が、「明確な自己分析」だ。