考えても答えが出ない!? 50対50のときに51を選ぶ方法
メリットとデメリットを表にしよう
まず、紙を用意し、横2列、縦2列の表をつくり、上段に考えていることを実行した場合のメリットとデメリットを、下段にはそれをしなかった場合のメリットとデメリットを書き出してみよう。
この表に1つ2つと書き込んでいくと、選択と決断によって発生しうる結果のメリットとデメリットを可視化することができる。
どんな選択がより良い結果をもたらすのかを判断できるうえに、今感じている感情が正しい選択と決断を阻んでいることに自然と気づかされる。
こうして決断の秤を目に見える形にすると、最終的に自分に向き合うことになる。
正しい選択と決断を阻む感情から自由になり、自分が何が好きで何が嫌いなのか、何が得意で何が苦手なのか、どんなことに関心があるのかなど、「自分」という人がわかってくる。
そして、この決断の天秤が積み重なって、自分でも知らなかった自分が少しずつ見えてくる。
100パーセント完璧な選択などありえない。
けれども、たった1パーセントでも自分が望むほうを選ぶことはできる。
そのためにも、選択と決断を行うとき、自分の感情を適切にコントロールしよう。
あなたがつくる決断の天秤は、後悔のない選択にきっと導いてくれるはずだ。
(本稿は、チェ・フン著 李明華訳『私はすべて自分で決める。』から一部抜粋・再構成したものです)
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「自分の好きなことより、他人の意見に従ってしまう」「つい決断を先延ばしにする」「なんでもいいが口グセ」……かつて「決められない症候群」だった会社員が教える、最良の選択と決断のための具体的なノウハウをまとめた31のエピソード。選択と決断が苦手な人は必読の1冊。
「どうしてあんなことをしてしまったのだろう?」
「今度は何がいけなかったのだろう?」
「後悔ばかりしてしまうのはなぜだろう?」
ひとりでいると、ついそんなことばかり考えてしまう。
私には自分に対する信頼と確信がなかった。
どんな選択が自分のためになるのか、自分がどんな決断を望んでいるのかもわからなかった。
ただ人に言われるがままに決め、それを自分の意思のように伝えるのが日常茶飯事だった。
そんな私は周囲の言うことをよく聞く友人であり、聞きわけのいい息子だった。
だが社会人になると、そんな私の性格はむしろ毒になった。
「自分の意思がなく消極的な人」「ひとりでいるのが好きな『孤島』みたいな人」「何を考えているのかわからない人」。自分の考えを主張するよりも周りの人たちの意見を聞き入れ、相手の意向に合わせて判断し行動していた私は、周囲にそう評価されていた。
そのときはじめて「こんなふうに生きてはいけない」と思った。
その場の雰囲気が悪くなるのが嫌だから、人と自分の意見があまり変わらないから、相手の意見のほうが周りにとっても自分にとってもいいと思ってしていたことが、むしろ私を「どういう人かわからない人」にしてしまっていた。
もう二度と、人の視線や基準に合わせて選択と決断をしたくない。
自分の意思と経験にもとづいて意見を言い、行動する人生を生きたいと思った。
だが、コロコロ変わるコインの裏表のように、自分の性格を変えるのは簡単ではない。
そこで私は、三日坊主も10回くり返せば1ヵ月になると考え、3日やってはやめ、また3日やってはやめる、とくり返すことで、少しずつ習慣づけていくことにした。
この本に書かれていることは、選択と決断を恐れていた私がいかにして慎重に判断できる「決断のプロ」に変わったのか、その挑戦と努力の軌跡である。
【本書の目次】
PART1 私たちはなぜ小さなことも決められないのか?
・人類最大の難題、チャジャン麺かチャンポンか?
・ちょっと待って! 私には考える時間が必要だ
・後悔することを恐れていては決められない
・自分の人生の主役は誰?
PART2 ベストな選択と決断に導く5つのキーワード
・肯定! 自分のあらゆる決断を肯定せよ
・シンプル! もっと単純に考えよう
・確信! 自分自身を知ろう
・完璧! 完璧主義の奴隷から抜け出そう
・経験! ベストな選択は経験から生まれる
PART3 頭の中を整理するために必要なこと
・複雑な思考を整理するベストな方法―頭の中のサルを黙らせる
・躊躇する心にひそむ感情―「感情の天秤」を理解しよう
・揺るぎない自分なりの信念を持つ―人の言葉に惑わされない方法
・話し方の練習が必要な理由―決断のプロの話し方
・選択と決断、その前に確認すべきこと―決断のプロのチェックリスト
PART4 最善の選択が最高のチャンスをつくる
・選択したあとのことを恐れるな
・決断しなければチャンスはやってこない
・決断のプロは分析のプロ
・迷わず実行するための5秒の魔法
・時にはあきらめも賢明な決断になる
PART5 すべては「実行」によって完成する
・ひとまず「サム、マイウェイ」
・自分のことだけを考える時間を持とう
・決断に決断をプラスするルールづくり
・実行こそベストな選択だ
・ためらわず、思いきって決める
PART6 人生は決断力だ
・決断すべきときが来たら、後悔という言葉を頭から消すこと
・自分を知ってはじめて、自分で選択できる決断しなくてもいいときもある
・人生最大の選択と決断の瞬間
・あなたには選ぶ資格がある