開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「読解力・国語力を伸ばすコツ」について特別に一部を抜粋して紹介する。
文字を追うことに慣れていない子どもたち
若い世代の読書離れはますます進んでいます。しかし、国語の基本は文章を読むこと。ここから逃げていると、国語の学力は伸びようがありません。
一方で、とても読書好きな子も少数いて、そういう子どもたちは、他者に大きな差をつけることができています。昨今は、中学受験もその先の大学受験も、あらゆる教科において読解力が問われるようになっています。長い文章を読める子に育てることは、マストだと考えてください。
今の多くの子どもたちが文章を読まなくなっているのは、「文字を追うことに集中できない」からです。ラインなど短い文節に慣れていて、少しでも長くなるとうんざりしてしまうのです。
ゲーム感覚で「読解力を伸ばす」練習法
そこで、そんな子どもたちに文字を追わせる、簡単な練習法を紹介しましょう。
新聞(日本経済新聞が理想です)のある面を開き、その上半分をコピーします。半分だと、ちょうどA3サイズになるはずです。
コピーした紙を渡し、2分間でひらがなの「の」の字をできるだけたくさん探させます。赤鉛筆やマーカーなどでチェックさせるといいでしょう。次は「しかし」を探してみましょう。このようにすると文字を速く追う練習をすることができます。
2分間に区切るのは、そのくらいが幼い子どもにとって集中の限界だから。「の」の字は、一番たくさん出てくる字だからです。これをやってみると、探せる数が多い子は、間違いなく偏差値が高い傾向にあります。
最初はなかなか集中できなくても、ゲーム感覚で毎日やっているうちに、だんだんと集中力が上がり、探せる文字数も増えていきます。こうして、文字を追う力を家庭で育ててあげましょう。次第に、文章を読むことの面白さがわかってきて、本を読むことが楽しくなります。
なお、低学年のうちは、自分で本を読めないなら「読み聞かせ」でもいいでしょう。要するに「文章は面白い」と思ってもらうことが大事です。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)