経営コンサルタントの神田昌典氏が、アメリカで百年以上続く売れるコピーライティング技術を日本で普及させ、はや25年。その集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。東証プライム上場社長で現役マーケッターの木下社長が、「3520円はタダみたいなものだ」と強力推薦する本が話題になっている。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

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伝説の3大セールスレターの字数

 昔のセールスレターの文字数はそれほど多くなかった。

 本書48ページ以降で触れた伝説の3大セールスレターの字数は、日本語訳のベースで次のとおりだ。

書くスピードが10倍アップする「33分33秒」集中法

 3000字に満たない程度なので、今のブログ記事に相当するくらいのボリュームだ。しかし、LPの場合は、顧客の声や商品内容の詳しい説明などが入るので、概ね6000~8000字程度になる。

 8000字とすると、400字詰め原稿用紙20枚分なので、結構なボリュームだ。

 これを一気に書き上げるのはなかなか難しい。

 そこで、最速で書き上げられる方法を紹介する。

 私、衣田は、いつもこの方法で書いているので効果は保証する。

 コツは大きく3つある。

1)書きやすいところから書く
2)「33分33秒」で書く
3)校正はでやる

【コツ1】書きやすいところから書く

 まず、「1)書きやすいところから書く」からいこう。

 LP・セールスレターは下記のパーツで成り立っている(詳細121ページ)。

書くスピードが10倍アップする「33分33秒」集中法

 パーツの組合せなので、最初から順番に書いていかなくてもいい。

 オファーの価格からでも、商品内容からでもいい。

 また、追伸を最初に書くのもいい。

 「最後に何を言って終わるのか?」を最初にイメージしておくと、全体の流れがつくりやすいときもある。

 ヘッドラインを先に決め、上から順に書くのがやりやすければそれでもいい。

 要するに、自分が一番書きやすいところから書くのだ。

 書く順番を自分なりに決め、いつも同じ順に書いてもいいし、その都度、違ってもいいのだ。そのときに、自分が一番書きやすいところから書いていったほうがいい。

 書きやすいところを先に書けば、手が動かせない真っ白な状態から解放され、後は「すき間を埋める」作業になる。

 最初からつながった文章を書こうとするとしんどいが、部分的にでもすでにある文章をつなぐほうが書きやすい。

 書きにくいところでじっと考えているとなかなか進まないが、書きやすいところから書けば、結果として全体の書くスピードは上がる。

【コツ2】「33分33秒」で書く

 次に「2)『33分33秒』で書く」について、これは何だろうと思った人も多いと思う。

 LPは字数が多いので、全部書くには時間が必要だ。

 そこで、長時間集中力を保ついい方法がある。

 アメリカの有名なコピーライターであるユージン・シュワルツ(1927~1995)が紹介したといわれる方法が「33分33秒の法則」だ。

 それを、私、衣田が経験を踏まえて少しアレンジしている。

 やり方は次のとおりだ。

書くスピードが10倍アップする「33分33秒」集中法

 ここでコツが2つある。

 まずは「手を止めない」ことだ。

 とにかく書き続ける。行き詰まったら、「ここは後で書く」と書いて、書けるところを書く。この間はひたすら、文字化することに集中する。

 シュワルツの「33分33秒」では、この時間に、コーヒーを飲んで考えてもいいとなっている。

 しかし、私が推すのは、とにかく手を止めずに書き続けるやり方だ。

 こうすると、LPであれば3または4セット(2時間または2時間半)あれば書ける。いうまでもないが、これは「PMMサーチシート」で何を書くかが、しっかり決まっている前提だ。

 もう一つコツがある。

 33分33秒経ったら、途中でも「絶対やめる」。

 どうしてもキリのいいところまで書きたくなるが、必ず途中でやめる。

 あえて途中でやめて中途半端にするのが、心理学の「ツァイガルニク効果」だ。

 ツァイガルニク効果とは、「人間は物事が未完了のままになっていると、そのことをよく覚えている」というものだ。

 このネーミングは、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク(1901~1988)の名前からきている。

 このツァイガルニク効果でよく例に出されるのは、レストランのウェイターが、客の注文をメモしなくても記憶しているが、料理を出した後は忘れてしまうというもの。仕事が途中で仕掛かっている状態だと人はよく覚えているというのだ。あなたにも何かしら経験があるかもしれない。

 これを利用し、作業を途中でやめると、脳が記憶していて、再開するときには、すぐにピーク状態から始められるという。

 キリのいいところまでやってしまうと、脳が完了したと認識してしまい、再開時に、アイドリング状態となり、集中力が高まるまで時間がかかってしまうのだ。

 休憩時間も5分以上休憩してしまうと、やっていたことを忘れてしまうので効果がなくなる。また、休憩時間に別のことに頭を使うのもよくない。休憩時間は体を動かしたり、お茶を飲んだりして頭を使わないようにするのだ。

 なぜ、33分33秒になったのか?

 詳細は不明だが、時間そのものに厳密な意味はないようだ。

 私、衣田もいろいろ試してみたが、33分00秒でも、32分でも、34分でも大差なかった。ただ、40分だと長すぎる。25分だと短い。

 疲れてしまわないうちに早めに休みつつ、短すぎないちょうどいい時間が30分強。ゴロよく33分33秒なのではないかと思う。

 この方法は、プレゼンのスライドづくりや、各種資料作成時にも使える。なにより疲れる前に休むので、長い時間、集中力を保てる。だから生産性がとてもいい。

【コツ3】校正は後でやる

 最後のコツは「3)校正は後でやる」だ。

 33分33秒で集中して書いているときには、文章がおかしくても、あえて校正しない。

 校正すると、せっかく頭に浮かんだアイデアが消えてしまう。文章を書き出す最中は、書き出すことだけに集中し、校正は後でじっくりやる。

 まとめよう。

1)書きやすいところから書く
2)「33分33秒」で書く
3)校正はでやる

 この3つで、ライティングスピードは確実にアップする。

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書くスピードが10倍アップする「33分33秒」集中法

(本原稿は、発売たちまち大重版となった、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)