「几帳面な性格かどうか」でメモの書き方は変わる

――メモを書く際、筆記具の使い方や色分けなどについてアドバイスはありますか?

下地 「自分がどれぐらい几帳面な性格か」をしっかり見極めることが重要です。

 たとえば、部屋が綺麗に整頓できるほど几帳面な人は、何種類かのペンを使い分けられると思います。一方で、普段から部屋が散らかっていて「片付けが苦手」という人は、複数のペンを使いこなそうとしても使い分けのルールを自分で守れずに、収拾がつかなくなってしまいます。

 なので、几帳面な性格の方は3色使っても問題ないですし、そうでない方は基本1色でいいと思います。手書きなら、色分けをせずとも、文字の大小や傍線・波線でメリハリをつけられます。1色でまずトライしてみて、慣れてきたら色を増やしてみてください。

企画をゼロから作るときは「手書き」にこだわる

――Evernoteのようなデジタルのメモツールと、紙ベースでのメモをどのように使い分けていますか?

下地 取り組むアウトプットの内容や形式が、過去の企画やアイデアと似ている場合は、基本の型ができているので、私は最初からデジタルツールを使ってメモすることも多いです。

 しかし、自分にとって未知のタイプのアウトプットになると、全てゼロからのスタートになります。そのときは、手書きで「現状の把握⇒課題のリストアップ⇒打ち手の考案」という流れを意識しながら手書きでA4用紙などにメモしていきます。

 そうすることで、一覧ですべての情報を見ることができます。もしデジタルでメモしながら考えるとすると、画面をスクロールしないと全体像を見られず、思考の精度が下がってしまうでしょう。

 みなさんの作業が、過去の反復に近いものならば、手書きのメモにそれほどこだわる必要はないと思います。しかし、いままで経験にない新しい企画・アイデアを出したいときは、手書きから始めるとよいのではないでしょうか。

(本稿は、ダイヤモンド社「The Salon」主催『考える人のメモの技術』刊行記念セミナーのダイジェスト記事です。「The Salon」の公式Twitterはこちら