いよいよ年末が見えてきた。2022年はどんな1年だっただろうか。「上司に悩まされた」「部下に悩まされた」「同僚やクライアントに苦しめられた」、それぞれいろいろあっただろう。ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するもの。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
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「説明不足」になっていないか
自分だけがやる気満々でまわりが冷めているとき。
自分のやる気が空回っているとき。
リーダーは不安や徒労感で、ときにメンバーを責めてしまいそうになる。
そんなときはまず、「メンバーに伝わっていない可能性」を検証しよう。
つまり、プロジェクトをつまらないと感じているのではなく、メンバーがそもそも、そのプロジェクトの意義や意味を理解していない可能性を考えるのだ。
・なぜこの仕事に取り組むのか
・なにを目指しているのか
・なにがおもしろいのか
・成功したらどんなことが起こるのか
こうした「なぜ」の説明が腑に落ちないと、人はアクセルを踏みきれない。
「チームの目標」として共有する
モヤモヤしている人にどんなにリーダーがハッパをかけても、それは「リーダーがやりたい仕事」であって「チームの仕事」にはならない。
努力に対する「やりがい」や「費用対効果」が悪いとメンバーが感じる状態になってしまう。
リーダーの目標をチームの目標として共有できていないときはほぼ空回る。
そんなときはもう一度、「なぜ」、「どこに行きたいのか」の説明に言葉を尽くそう。
「負担超過」になっていないか
空回っているときにもうひとつ検証すべきことがある。
それは「メンバーが負担超過している可能性」だ。
たとえば、ただでさえ通常業務があるうえに、急にリーダーが新しい仕事を持ってきたら、メンバーは「無理無理」と冷めてしまう。
そこを気合いで押し切ろうとすると、余計に気持ちは離れていく。
冷めた気持ちのまま、最小限の労力で、うわべで仕事をこなそうとするのを叱責したら、なおさら空気が悪くなる。……悪循環だ。
部下の負担をコントロールする
確実に成功させたいプロジェクトがあるときは、それが高いクオリティで実行できるよう、メンバーの負担をコントロールするのもリーダーの役割になる。
新たな荷物を載せるためには、いまある荷物を減らさないといけないのだ。
僕の場合、現場ディレクターとADのローテーションには、かなり頭を使っている。
「ゴッドタン」の勝負企画、「芸人マジ歌選手権」の前後では、なるべく準備がラクな企画にすることでADの負担を分散している。
細かい調整がモチベーションを左右するからだ。
どれだけ思い入れがある仕事でも、自分ひとりでできることなんてひとつもない。
だからこそリーダーは、みんなで同じ方向に進めるよう、言葉と態度で示していこう。
※本書には、この他、多くの仕事術が収録されています