近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。
「中学受験 大学付属校合格バイブル」の著者で、早慶をはじめとする大学付属校専門の中学受験塾を経営されている野田英夫氏は、大学付属校の入試問題には、基本的な問題が多く進学校のような難問が少ないので、付属校に特化した対策をすれば偏差値が足りていない子でも逆転合格がかないやすいといいます。本書から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えしていきます。
時事問題はテレビを見て親子で話し合う
テレビは息抜きをしつつ勉強もできる、非常に優秀な受験の味方です。特に時事問題が出やすいのは早稲田、慶應、青山学院、明治の付属校。
入試直前に、「今年の重大ニュース」のような冊子を読んだところで、頭に入る知識には限りがあります。それよりも、普段からニュースに接し、コメンテーターの意見を聞きながら、自分の意見を持つようにしておくと、記述などにも対応できます。
「テレビをつけると、ダラダラ見続けてしまって……」というご家庭であれば、週末にその週のニュースをまとめて見るのもいいと思います。親御さんがお休みの日なら、「このニュースについて、どう思う?」などと、さりげなく質問をしてもいいですね。そういった親子の対話があると、なおのこと、子どもの頭にそのニュースが残ります。
ドラマも役に立ちます。たとえば近現代を舞台にした朝ドラなどを見ると、当時の生活がどのようなものだったのか、視覚的に捉えることができます。こういった知識は、親子ともに戦争を全く知らない世代である私たちにとっても、戦時中の生活を理解する助けになりますし、そういった背景を知ると、国語や社会で問題を解くときにも役に立ちます。また、感情を捉える練習にもなるのは前述した通りです。
小5の2月に大手塾から転塾してきた“かずきくん”。志望校は早大学院(偏差値72)。算数はできていたのですが、国語、特に物語文にかなりの苦手意識がありました。登場人物の心情把握がまったくできなかったのです。国語の偏差値はなんと「32」。そのせいで4科偏差値は「53」まで落ち込んでいました。過去問や類題の徹底だけでなく、このようなドラマを見ての心情把握が効いたのか、滑り込みで入試に間に合いました。
また、理科の時事問題は社会のように分野が多岐にわたっているわけではないので、比較的問題予想がしやすく、「ノーベル賞」「天体」「自然災害・異常気象」などが頻出です。入試問題は、前年の11月ごろまでには作成が終わるので、たとえば2023年の入試であれば、2021年11月から2022年11月までに起こったこれらのニュースについては、詳しく目を通しておくとよいでしょう。
テレビは賢く番組を選べば、お子さんの知識を大幅に増やしてくれますし、自分の意見をもったり、感情を推測したりするトレーニングにもなります。しかも楽しい! ぜひ上手に取り入れてください。
*本記事は、野田英夫著「大学付属校合格バイブル」より、抜粋・編集したものです。