「いい会社」はどこにあるのか──? もちろん「万人にとっていい会社」など存在しない。だからこそ、本当にいい会社に出合うために必要なのは「自分なりの座標軸」である。そんな職場選びに悩む人のための決定版ガイド『「いい会社」はどこにある?』がついに発売された。20年以上にわたり「働く日本の生活者」の“生の声”を取材し、公開情報には出てこない「企業のほんとうの姿」を伝えてきた独立系ニュースサイトMyNewsJapan編集長・渡邉正裕氏の集大成とも言うべき一冊だ。同書のなかから厳選した本文を抜粋・再編集してお送りする。
年齢に関係なく仕事を任される組織、
5つのポイント
どういう会社ならば、年齢に関係なく仕事を任されやすいのか、つまり、若手であっても権限を持てるのか。以下5つほど、見分けるポイントとなる基準を挙げる。
①社員の平均年齢が若い
②重厚長大インフラ産業ではない
③子会社・下請け会社を多数持つ、親会社・元請け
④所属業界の規制が少ない
⑤新規事業に関与しやすい
すべてに当てはまる必要はないが、1つも当てはまらない会社は、若手に権限や裁量がない。
今回はこのうちの「①社員の平均年齢が若い」について見ていくことにしよう。
あの会社の平均年齢は?
──若手が「飼い殺し」状態になりがち
元も子もない話ではあるが、「平均年齢が若い会社」では、若い人に仕事が任されやすく、やりがいを感じやすい。
日本の大企業の平均年齢は概ね40代前半で、高齢化が進んだ。NTT東日本45.2歳、NTTコミュニケーションズ44.1歳、富士通43.6歳、三菱商事42.6歳、日立製作所42.3歳、電通40.9歳。メディアは特にひどくて、読売新聞社47.3歳、朝日新聞社45.8歳、日本経済新聞社45.1歳。
平均年齢は、上場企業は有価証券報告書で毎年、開示されるが、持ち株会社だけが上場していると、肝心の事業会社のほうは隠ぺいされ、わからない。たとえば日本電信電話(NTT)は上場しているが、NTT東日本は非上場で、有報からは実態がわからない。
外資系企業のように年齢と関係なく抜擢人事があるならまだしも、平均年齢が高い会社は、年功序列&終身雇用の結果として平均年齢が上がっている会社がほとんどだ。もし若い人をどんどん昇進させたら、30歳の課長の下に40代50代の部下が大量に配置され、お互いやりにくいから実現が困難である。
こうした会社では、若い人たちがポストに就けず、能力を発揮するチャンスを与えられず、飼い殺しにあう可能性が高い。