お金はこうやって生まれた!『パックン式 お金の育て方』より(イラスト/田渕正敏)『パックン式 お金の育て方』より(イラスト/田渕正敏)
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 食べ物や日用品、何でも無限にあるものなんて、この世にはありません。

 だから、私たちはそれらを買うために、お金を払わないといけません。

 そして、人が不足を感じるものほど、たくさんのお金を払う気になります。だって、もし空気が足りなかったら、全財産でもかけて買いますよね?

 逆に、稼ぐためには、その足りないものを提供する側に回ればいいわけです。アスリートや俳優などのスーパースターは、チームがやってほしいこと、ファンが見たいこと、そしてほとんどの人ができないことをやってくれるから高給取りなのです。需要が多くて、供給が少ないから希少価値が高いのです。

 つまり、アクティブインカムを増やすコツとしては、「人の不足」に目をつけることが大事なのです。

お金の由来を考えれば、不足の大切さに気がつける

 少し余談ですが、お金の由来を考えたことはありますか?

 大昔の人間社会では、物々交換が行われていたといいます。

 とんでもなく不便なシステムだと思いませんか?

 だって、ある人が「ちょっと寒いから、セーターでも作ろう」と思い立ったとします。彼は鶏をたくさん持っているので、羊の毛と交換してくれる人を探しに行ったとしましょう。

 彼が苦労して、運よく羊を持っている人を見つけられたとしても、その人が「豚とじゃなきゃ交換はしたくない」と言ったら、元も子もありません。

 そしたら次は、豚を持っている人に、自分の鶏と交換してもらって、その後で羊の毛を手に入れるしかありません。

 だけど豚を持っている人が「鶏はいらない!」と言ったら……、こんなふうに考えただけで面倒くさすぎる!

 そんなときに、すごく役に立つのが「お金」です。

 お金が登場すると、先ほどの例の男性は、鶏とお金を交換できるし、お金と羊の毛を交換できるようになります。

 これによって、人間社会は物々交換から脱することができました。

 それからというもの、我々は何か「不足」があれば、お金を払って満たすことができるようになりました。

 逆に、人の「不足」を満たせば、お金をもらえる。シンプルで便利ですよね。

 僕は、お金こそが、人類最大の発明だと思っています。(2番目はウォシュレットかな?)