不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、著者がNHK『あさイチ』[12/12(月)放送]に出演することで注目の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「性格がいい人はいつも性格がいい」とは限らない…人間関係の苦しみが一瞬で解消する考え方

人の性格や人格は変容するもの

人間関係において相手のことを「この人はこういう性格だ」とか「こういう人格の人だ」って、ついつい思いがちじゃないでしょうか? 性格とか人格というものは、生まれもって変わらないものではなく、変容していくものだということは、知っておいたほうがいいです。

年齢を重ねたり、病気を患ったり、とりまく環境が変ったりすることによって、本人の性格や人格が徐々に変容することがあるんです。以前とはまるで違う人になってしまうことさえ、けっこうよく見られる現象といえます。

それは病的なものではなく、普通の範ちゅうのなかでも、長い年月をかけてだんだんと性格や人格が変わることは、あり得ることです。それどころか、昨日今日の体調の違いによっても、人間性が変わったように見えることさえ、けっこうあります。

状態によって性格は変わる

そういうことを踏まえていないと、「この人はこんな性格の人だ」ということを前提に接してしまうので、いきなり人が変わったかのような場面に遭遇すると、ちょっと人間不信のような感情に陥ったりすることさえあります。

ときには、その人との関係性が破綻したり、破綻しないまでもかなり混乱することもあります。だから性格とか人格というものは、人の状態によって変容していくことがよくあると、知っておくことがすごく大事になります。

優しくていい人だとか人格者だと思っていた人が、まったく想像し得ないような攻撃的なことをいってきたりすることも、場合によっては十分あり得るんです。体調がよくて仕事もうまくいっており、元気で前向きな気分のときは、明るい性格になりやすいですが、ずっとそういう状態ではないわけです。

人格は安定しているものではない

ときには体調が優れず仕事もうまくいかず、ネガティブになっているときもあり、そういうときは、もうなにもかもがダメに思えて、暗い性格になってしまうこともあります。機嫌が悪かったり、体調が悪かったりするとイライラして、家族や友人に対して攻撃的になってしまうこともあるでしょう。

そういうふうに性格や人格というのは、思うほど安定しているものではないということです。そう思っておけば、余計なショックを受けることも争いごとも、人間不信になることも避けやすくなるでしょう。

期待するからショックを受ける

場合によっては、近寄らないようにして、ちょっと見守っておこうとかいう判断にもなり得ます。ある程度、年齢を重ねてくると、「こういう人じゃなかったのに……」みたいな経験って、けっこう増えてくるものです。でも、いちいちショックを受ける必要はないんです。なぜなら、そういうことは起こり得るものだから。

なぜショックを受けるかというと、それは自分が勝手に「この人はこういう人だ」と期待して接しているからなんです。そんなひとり相撲をとるようなことはせず、「いま、こういう状態なんだな」と、相手のありのままを見てあげたほうが、余計な疲れや苦しみを受けず、自分のコンディションを保っていけるかと思います。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。