情報収集をするときには、
誰でも必ず「結論」を持っている
答えを言ってしまいましょう。
この場合の「必要な情報」とは「部長なりの『潜在的なアイデアにとって』必要な情報」のことです。
つまり、部長は潜在的なかたちであるにせよ、「こんな提案をするといいのではないか」というアイデア(のようなもの)を持っていました。それを補強してくれそうな情報を、部下に集めてきてほしかったのです。
具体的な情報収集に先立って持っている「答え」を結論仮説と呼びます。
情報収集には結論仮説が不可欠です。無意識的であろうが意識的であろうが、明瞭であろうが不明瞭であろうが、何らかの結論仮説がない限り、情報収集は成立しないのです。
さきほどの部長も、何らかの結論仮説(ただし、無意識的で非常に曖昧な)を持っていたからこそ、「この業界の情報がすっぽり抜けている」とすぐさま気づくことができたわけです。
他方、部下のほうも「自分なりの結論仮説」を意識しないまま持っており、それに基づいて情報収集を進めました。しかし、彼の結論仮説は、部長のそれとは部分的に食い違っていたため、どの範囲を調べれば部長が納得するのかがわからなくなってしまったのです。