ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

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バーレーンってどんな国?

 バーレーンは、アラビア半島東部に位置し、ペルシャ湾に浮かぶバーレーン島など30以上の島からなる国です。1986年にサウジアラビアとの間に全長25㎞の海上橋が建設され、アラビア半島と陸路でつながっています。

 国土面積は東京23区の1.2倍ほどの広さで、全土が砂漠です。古代より中継貿易や真珠産地として栄えた歴史を持ちます。

ハリファ家による政治

 18世紀にアラビア半島から移住したハリファ家が首長となり、19世紀末にはイギリスの保護領となりました。1971年に独立し、議会が設置されたこともあるものの、実際はハリファ家を首長とする独裁政治が続きました。

 その後、2002年に首長制から王制に移行しました。さらに、立法議会の設立や女性参政権の承認が行われ、2011年には反政府デモを受けて「国民対話」を実施するなど民主化に取り組んできました。

 しかしながら、王族がイスラームスンニ派に対して、国民の多くがシーア派であることで、政治的に不安定な面を抱えています。

 1932年に湾岸諸国の中では最初に行われた石油生産が、経済を支えてきました。それとともに石油精製やアルミ精錬など産業の多角化も進めてきました。また金融センターとしての役割強化や観光業にも力を注いでいます。

バーレーン王国

面積:760㎢ 首都:マナーマ
人口:152.7万 通貨:バーレーン=ディナール
言語:アラビア語(公用語)、英語
宗教:イスラーム73.7%、キリスト教9.3%
隣接:サウジアラビア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)