『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の著者である、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏は、次のように言います。「紹介する2つの速算法はどちらもすぐにマスターできる。それだけに、時間に追われている受験前の生徒が習得すると効果が大きい。」
2つの速算法」とは一体どんな方法なのか? 同氏に話を聞きました。

受験前に最低限知っておきたい【超・速算法2選】Photo: Adobe Stock

「1個あたりの値段はどっちが安いか」を瞬時に計算!

まず、1問目をみてください。

【問題1】同じ石けんがセットで売られています。3個520円のセットと、4個710円のセットを比べると、1個あたりの値段はどちらが安いでしょうか。(目標時間10秒)

では、さっそく解説していきます。「520÷3」と「710÷4」を筆算で計算するのは、時間がかかるので避けたいところです。

ここでは、個数の「3と4の最小公倍数」に注目しましょう。3と4の最小公倍数とは、「3の倍数と4の倍数に共通する倍数(公倍数)のうち、最も小さい数」のことです。

「3と4の最小公倍数」は12ですから、「12個の値段で比べる」と、(1個あたり)どちらが安いかを瞬時に求められます

3個520円のセットの個数と値段をそれぞれ4倍すると、12個の値段が(520×4=)2080円と求められます。

一方、4個710円のセットの個数と値段をそれぞれ3倍すると、12個の値段が(710×3=)2130円と求められます。

そのため、答え(1個あたりの値段が安いほう)は「3個520円のセット」です。割り算がややこしそうなら、最小公倍数に注目して比べるというのがこの方法のポイントです。