米国カリフォルニア大学のシェリー・タイラーは、試験勉強をしている大学生を対象に心理実験を行った。一方のグループには「自分がとった点数をただイメージする」結果シミュレーションを、もう一方のグループには「勉強の内容・時間・場所を具体的にイメージする」プロセス・シミュレーションをしてもらった。その結果、点数のみをイメージしたグループの平均点は67.61点、勉強内容・時間・場所を具体的にイメージしたグループの平均点は73.18点だったそうだ。やはりプロセス・シミュレーションのほうが、望んだ未来をつかむ力があるといえる。

 お金持ちになりたければ、より細かく、より具体的に「お金持ちになっていくプロセス」をイメージしてみよう。願いがかなっていく過程をありありと思い描いてみれば、イメージ・トレーニングの効果がじわじわと高まっていくはずだ。

◇「楽しい!」「面白い!」を口グセにする

 喜びに満ち溢れているときは、何をしていても楽しく感じる。逆に、心が疲れていたり、不安や心配、気がかりなことがあったりするときは、何をしていてもあまり楽しく感じられないものだ。

 米国サザン・イリノイ大学のトーマス・シルは、100名を超える大学生に、個人的な活動(読書や音楽を聴くなど)、社会的な活動(だれかと夕飯を食べるなど)、身体的な活動(スポーツや散歩など)について、「どれくらい楽しめているか」を尋ねた。加えて、その大学生たちの抑うつの度合いを調べたところ、抑うつ的な人ほど、どんな活動をしていても楽しめないということが明らかになった。

 では、どんなことでも楽しめるようになるにはどうすればいいか。それには子どもの心がヒントになる。

 小さな子どもはいつも楽しそうだ。鬼ごっこや缶けりなど、大人からすれば何が面白いのかと思うようなことも、飽きることなく楽しんでいる。

 子どものような心の豊かさを保つには、「つまらない」や「面白くない」ではなく、「これって面白い!」「これって楽しい!」を口グセにするのが効果的だ。私たちの心は、口にする言葉に影響を受けている。心が豊かになっていくような言葉を意識的に発するようにしよう。